OLYMPUS PEN EE-3
仕様
形式 ハーフサイズレンズシャッターカメラ ファインダー アルバダ式光枠ファインダー(0.5倍) レンズ Dズイコー28mmF3.5(3群4枚) 絞り 自動(F3.5・4・5.6・8・11・16・22) シャッター オリンパスシャッター/X接点 シャッタースピード 1/30秒 1/250秒 自動切替式 測光方式 セレン光電池(EV9.5~15 / ISO25~400) フィルム巻き上げ リアーワインディング式 大きさ 幅108mm x 高さ66mm x 奥行42mm 重量 335g 発売年月 1973年(昭和48年)5月 発売価格 12,800円(ケース付) 修理内容
こちらのPEN EE-3は、「巻き上げた後に赤ベロが出てシャッターが切れなくなってしまった。」とのことで、修理依頼がありました。
赤ベロ
赤ベロの役割は、露出不良による撮影ミスを無くすためのもので、ファインダー越しから、光量不足や光量オーバーになると赤ベロのように出てくる警告板のことです。
この赤ベロが出ると、シャッターが切れなくなります。
ただし、ASA環をフィルム感度設定以外の箇所(絞り目盛や専用フラッシュマチック目盛)に合わせると、赤ベロは出なくなり、シャッターは切れます。
もし、適正な露出が得られる環境で、赤ベロが出てしまう場合は、カメラの故障が考えられます。
赤ベロが出てしまう故障として考えられるのは、露出計の故障や受光素子(セレン光電池)の不良、赤ベロのアームの引っ掛かりなどです。
まずは、不具合の原因を探るため、カメラ内部にある露出計の状態を確認するため、カメラを分解し、露出計が見える状態にしてから、露出計の動作確認を行いました。
正常な露出計であれば、測定器の光に応じて、カメラ内部の露出計の針は振れますが、お預かりしたPEN EE-3については、露出計の針が全く振れない状態でした。
また、カメラを下に向けると、露出計の針が重力で下方向に下がってきてしまいます。
このことから、露出計装置そのものが、故障していると思いましたが、念のため、露出計装置をテスター繋ぎ、針の動きをテストしたところ、電流を流しても針が全く動かない状態だったため、露出計装置の故障と診断し、露出計装置の部品交換を行いました。
露出計装置の部品交換は、コイルが巻かれた部品の交換となります。
コイルや露出計の針が細いので、慎重に交換しないと、簡単に針が曲がったり、コイルが切れてしまいますので、交換には細心の注意を払って交換を行っています。
露出計装置の部品交換後、再度、測定器などを使い、動作確認を行いました。
露出計の動作については、光に反応して、露出計の針は振れ、光の明暗を切り替えると、それに応じて針が動く状態となり、測定器を使って露出の値を測ると、正常な露出値を示しました。
赤ベロについても、十分な光量においては、赤ベロは出ずにシャッターは切れ、不十分な光量では、赤ベロが出てシャッター切れないという正常な動作になりました。
主な修理内容は下記の通りです。
・露出計装置部品交換
・露出計精度確認
・レンズシャッター清掃注油
・巻き上げ清掃グリスアップ
・ファインダー清掃
・接眼レンズ交換(レンズに傷が見られるため)
・劣化モルト交換(フィルム室、裏蓋ヒンジ、アイピース周辺)
・レンズ清掃
・フィルム室清掃
・外装清掃
こちらの修理レビューを見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラの修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。