光線漏れがあり、モルトの劣化が著しく見られ、シャッターがたまに鳴いているということで、修理依頼がありました。
修理内容

モルト劣化
光線漏れの原因である、劣化したモルトについては、除去、清掃を行い、新しいモルトに貼り直しを行いました。
シャッター鳴き
シャッター鳴きは、時々鳴きがある様子でした。
何もしなければ、いづれミラーアップしたり、シャッターが切れなくなってしまうため、リターンミラーが可動するギアへ注油を行っています。
絞り連動不良
絞り連動不良とは、レンズの絞り羽根が設定した絞り値で動作しなくなる不具合です。
初期症状では、シャッター鳴きのように、絞りが動作するとき、異音が鳴る場合がありますが、シャッター鳴き程大きな音では無いため、気づきにくい場合があります。
絞り連動不良の症状は進行するに従い、レンズの絞りを絞り込んでも、設定した絞り値よりも少し絞り込みが浅い状態(例えばF22で絞り込んでもF11くらいになるなど)となり、次第に絞り込んでも、設定した絞り値まで絞り込めなくなり、最後は全く絞り羽根が動作しなくなります。
絞り連動不良の原因は、このレバーに繋がるギアの油切れによるものです。
お預かりしたカメラについても、絞りの連動不良が見られたため、油切れを起こしているギアへ注油を行いました。
修理まとめ
- 劣化モルト交換
- シャッター鳴き修理
- 絞り連動不良修理
- シャッター幕軸注油
- シャッタースピード調整
- 露出計精度調整
- 巻き上げ軸注油
- ファインダー簡易清掃
- フィルム室清掃
- 外装清掃
- レンズ清掃
仕様
型式 | 35mmフォーカルプレーンシャッター式一眼レフレックスカメラ |
マウント | FDマウント |
シャッター | 4軸式の布幕横走行フォーカルプレーン |
シャッタースピード | B・X・30~1/1000秒 全速電子制御式 |
ファインダー | ペンタ固定アイレベル式 倍率0.83倍、視野率=上下93.4%、左右95.3% |
測光方式 | TTL開放中央重心平均測光/TTL絞り込み測光(SPC使用) |
電源 | 6Vの4G-13型酸化銀電池又は4LR44アルカリマンガン電池1個 |
大きさ | 幅141mm x 高さ92mm x 奥行48mm |
重量 | 620g |
発売年月 | 1978年(昭和53年)4月 |
発売価格 | 83,000円(ボディのみ) |

この修理レビューの目的は、修理をご依頼していただいたお客様に向けての修理内容のご紹介となっております。
こちらの修理ブログを見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラの修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。