ASAHI PENTAX ES II

ASAHI PENTAX ES II フィルムカメラ修理

今日はアサヒペンタックスES IIのフィルムカメラ修理をご紹介します。

ES II は1973年(昭和48年)に発売されました。

ES IIは、2年前に発売された、ESの改良機で、電子式シャッターと機械式シャッターの両方を併せ持つ、ハイブリッド式のシャッター機です。

シャッターは布幕横走りフォーカルプレーンで、機械式シャッターは、B(バルブ)と1/60(X接点)~1/1000秒、電子式シャッターは、8~1/1000秒(無段階)となっています。

露出制御用には、IC(集積回路)を導入し、露出精度が向上しており、8秒という低速シャッターを制御できます。

露出機構はTTL開放測光で、電源はSR44またはLR44電池を4個利用します。

レンズマウントは、M42マウントで、大きさは、143mm(幅)x98mm(高さ)x91mm(奥行)、重さは930gです。 

修理内容

ASAHI PENTAX ES II 分解
トップカバー分解

こちらのES IIは、「シャッターが押せなくなっています。電池を入れ、露出計が動作することは確認しておりますが、シャッターボタンが押せないため、シャッターが切れない状態です。」とのことで修理依頼がありました。

シャッター不良

ES IIをお預かりして状態を確認したところ、確かにシャッターは押せない状態でした。

原因は、シャッターチャージ不良で、巻き上げに関連する動作の一部がうまく出来ておらず、この部分を修理することで、シャッターチャージが出来て、シャッターも切れるようになりました。

露出計ズレ

露出計については、測定器を使って測ると、1段程度のズレがあるため、調整を行いました。

ASAHI PENTAX ES II 底面分解
底面側電子基板

シャッターボタンロック不良

トップカバーのシャッターボタンの辺りに凹みが見られました。

その影響で、シャッターボタンのロック操作に引っ掛かりがあります。

こちらは、トップカバーの裏側から軽く叩き出し、シャッターボタンのロックが掛かるようになりました。

主な修理内容は下記の通りです。

・シャッター不良修理
・シャッター速度確認調整
・露出計確認調整
・シャッターボタンロック不良修理
・ファインダー分解清掃
・劣化モルト交換
・フィルム室清掃
・外観清掃
この修理ブログの目的は、修理をご依頼していただいたお客様に向けての修理内容のご紹介となっております。
こちらの修理ブログを見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラの修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。

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