Nikon F2
カメラの修理がどのように行われているのか?
Nikon F2の分解、整備(修理)、組み立てを通して数回に分けてご案内します。第1回目の内容はコチラ
「ニコンF2のカメラ修理 その1」第3回目の内容はコチラ
「ニコンF2のカメラ修理 その3」今回の修理内容
第2回目は巻き戻し側のトップカバーとボトムカバー、ミラーボックスを分解していき、F2の修理についても紹介していきます。
9.トップカバーを外す
巻き戻しクランク部分
割り箸などを使って押さえ、ノブの部分を反時計回りに回して外します。
巻き戻しクランクを外した状態
化粧板をはがしますが、接着剤でくっついていますので、有機溶剤などを使って接着剤をはがします。
化粧板は先が尖った道具を使い、写真の箇所あたりからゆっくりと浮かしていきます。
化粧板が少し浮いたら、カッターなどを使ってはがしていきます。
化粧板がはがれた状態
スピードライトの取り付けパーツを外します。ネジ4本を外します。
パーツを外した状態
トップカバーを外します。
トップカバーを外した状態10.ボトムカバー(底蓋)を外す
ボトムカバー
赤丸部分のネジ4本を取り外します。
モータードライブのカップリングパーツを取り外します。
ボトムカバーが外れた状態
モータードライブのカップリングパーツは取り付けておきます。11.ミラーボックスを外す
セルフタイマーのレバーを取り外します。
道具はゴムやペンチ(先を加工)などを使って外します。最初はゴムを使い、回らない場合はペンチを使います。外す場合は反時計回りに回します。ゴムの場合
ペンチの場合
秒時板を押さえているリングを外します。
リングはペンチやレンチを使って外します。外す場合は反時計回りに回します。
ペンチの場合
レンチの場合
セルフタイマーのレバーを取り外した状態張り革をはがします。
はがす場合は張り革にアルコールを浸けながらゆっくりとはがします。
張り革をはがし終えた後は接着剤の残りかすを取り除いておきます。
セルフタイマーのユニットを外します。
赤丸部分のネジ4本を取ると、セルフタイマーが外れます。ミラーボックスを外します。
ミラーボックスを外す前は、シャッターを切った状態で取り外します。
ミラーボックスは8本のネジで留められています。6本はフロント側で、2本はトップ側です。フロント側の1本だけ特に長いネジ(黄色い丸)があります。フロント側
6本のネジを取ります。
トップ側
モルトプレーン(遮光材)をアルコールを使ってはがします。
モルトプレーンをはがすと2本のネジが出てきますので、これを取ります。
ミラーボックスを外す際、レバーが引っ掛かりますので、これをピンセットなどでずらしながら、フロント側に引き抜きます。
赤丸部分が引っ掛かりがある箇所です。
引っ掛かりがあるレバーをピンセットでずらしながら、ミラーボックスを引き抜きます。
ミラーボックスを取り外した状態12.ニコンF2の修理紹介
シャッターを切った後、「キィーン」という甲高い残響音が残る
ミラーボックス内部の赤丸で示した箇所にモルトプレーンを張り直します。これが残響音の消音になります。モルトプレーンは経年劣化により、ボロボロになっているか、はがれ落ちて無い場合があります。
露出計が動作しない
露出計が動作しない場合、露出計そのものの故障が考えられますが、電池室周りの不具合も考えられます。
ニコンF2の場合、長期間、電池を入れたままカメラを保管していると、電池室の金具を留めているプラパーツ部分に負荷がかかり、経年劣化もあってプラパーツがひび割れたり、折れたりしてしまいます。
その結果、電池が通電せず、露出計が動作しないことがあります。電池室のプラパーツ
赤いラインあたりにテンションが掛かり、ひび割れたり、折れたりします。修理方法
新品パーツの入手は難しいため、電池室のプラパーツを加工して再利用します。
左が加工済み、右が通常の状態
金具を取り付けた状態シャッター幕の動きが悪い場合
シャッター幕の動きが悪い場合、幕軸に注油を行います。
セルフタイマーの動きが悪い場合
セルフタイマーの各々のギアの軸に注油をします。
ファインダー取り出しボタンの動きが渋い場合
フォトミックファインダーやファインダースクリーンなどの取り出しボタンの動きが渋い場合、赤丸部分の3つのネジを外し、中のゴミやホコリを取り除き、清掃してあげることで、動きが良くなります。
スローシャッターの動きが悪い
スローシャッターはスローガバナーと呼ばれるユニットでシャッター速度を調節しています。
このスローガバナーの動きが悪い時はスローガバナーを洗浄、注油することで、動きが良くなります。修理方法はここに紹介した内容だけでなく、カメラの状態によって様々です。
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「ニコンF2のカメラ修理 その1」第3回目の内容はコチラ
「ニコンF2のカメラ修理 その3」
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