Canon AE-1 PROGRAM

フィルムカメラ 修理

今日は、キヤノンAE-1プログラムのフィルムカメラ修理をご紹介します。

修理内容

分解
分解中

こちらのAE-1 PROGRAMは、20年近く放置されたものを譲り受けたとのことで、シャッター鳴きと貼り革の剥がれが出ているとのことで、修理依頼がありました。

カメラをお預かりして状態を確認したところ、下記のような不具合が見つかりました。

シャッター鳴き

ご指摘の通り、シャッター鳴きが発生していました。

お預かり時点では、ミラー動作が緩慢になったり、ミラーアップすることは無く、シャッターを切った際にも、シャッタースピードに影響を及ぼすことは無い様子でした。

ただし、シャッター鳴きは、リターンミラーを可動さえるためのギアの油切れですので、注油を行わなければ、シャッター鳴きの音は大きくなり、遅かれ早かれ、リターンミラーの動作は緩慢になり、どこかのタイミングでミラーアップしてしまうと思われます。

こちらは、分解して、ギアへ注油を行いました。

ASA感度設定ダイヤル不良

ASA感度ダイヤル
ASA感度ダイヤル

測定器を使って露出計の状態を見てみましたが、露出計が適正露出を示しません。

原因は、フィルム感度を設定するダイヤルにある様子で、フィルム感度のダイヤルを何度か回すと、正常に露出計が動作する時がありました。

一旦、露出計は、正常に動作するようになっても、時間が経過すると、この症状は再発するようです。

こちらは、フィルム感度を設定するダイヤル下部の摺動抵抗にゴミなどが付着して感度ダイヤルの接点不良を起こしているためです。

ASA感度ダイヤル
ダイヤルパーツ

修理は分解して、ダイヤル下部の摺動抵抗部周りの清掃を行うことで、症状は直りました。

ASAダイヤル
ASAダイヤル下部

バッテリーチェックボタン

バッテリーチェックボタンを押すと、ノイズ混じりのブザー音が鳴っています。

本来であれば、ノイズは混じらず、ブザー音だけが鳴ります。

こちらは、バッテリーチェックボタンの接点に汚れがあるためです。

修理は、接点清掃を行い、症状が直りました。

貼り革剥がれ

貼り革に剥がれと反りが見られました。

貼り革は、反りを戻して貼り直しを行いました。

シャッタースピード

シャッタースピードは測定器を使って測りました。

測定結果は、シャッタースピードは、許容範囲に収まっていました。

厳密に言えば、ほんのわずか速度が遅いため、精度を上げるため、シャッター幕軸に注油を行った後、シャッタースピードの調整を行いました。

主な修理内容

・シャッター鳴き修理
・フィルム感度設定ダイヤル不良修理
・バッテリーチェックボタン接点清掃
・シャッターダイヤル接点清掃
・シャッターボタン接点清掃
・貼り革貼り直し
・絞り連動ギア注油
・ソノレイド清掃
・露出計調整
・シャッター幕軸注油
・シャッター速度調整
・ファインダー分解清掃
・劣化モルトモルト交換
・フィルム室清掃
・外観清掃
こちらの記事の目的は、修理をご依頼していただいたお客様に向けての修理内容のご紹介となっております。
こちらの記事を見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラ修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。