Nikon FM2
仕様
形式 機械制御35㎜フォーカルプレーン一眼レフ ファインダー ペンタプリズム固定 シャッター 機械式金属羽根縦走りフォーカルプレーン シャッタースピード 1~1/4,000秒、B、X 1/200同調 測光方式 TTL中央重点測光 マウント Nikon Fマウント 電源 SR44x2個 大きさ 幅142.5mm x 高さ90mm x 奥行60mm 重量 540g 発売年月 1982年(昭和57年)3月 発売価格 63,000円(ボディのみ) 修理内容
こちらのニコンFM2は、巻戻しクランクの欠品とシャッター不良で修理依頼がありました。
また、こちらのニコンFM2は、過去に修理を行なった形跡が見られます。
巻き戻しクランク
巻き戻しクランクについては、部品を紛失してしまっているため、部品を調達して取り付けを行いました。
シャッター不良
シャッター不良は、カメラをお預かりした時点で、シャッター速度を変えても一定の速度でしかシャッターが切れないという状態でした。
修理初めは、シャッターの幕軸を清掃したところ、ダイヤル操作に応じて、シャッター速度が変化する挙動を見せたため、幕軸の固着が原因と思えましたが、カメラの位置を横位置以外で(例えば空に向けて)構えて、シャッターを切ると、シャッター速度が設定した速度で正しく切れないという状態になりました。
原因を調べるため、再度、カメラを分解し、シャッターユニットをよく観察してみたところ、髪の毛よりも細い、極細のバネが外れているような箇所を見つけました。
このバネを正しい位置に掛け直し、一旦、カメラを組み戻してから、カメラの角度を色々と変えてシャッターを切ってみると、今度は、どの角度でシャッターを切っても、シャッター速度は指定した速度で正しく切れていることが確認できました。
さらに、測定器を使ってシャッター速度を測ってみましたが、すべてのシャッター速度において、許容範囲内の速度に収まっていることが確認できました。
まとめると、この不具合の原因は、おそらく、過去に行った修理のミスと、修理後の動作確認が不十分だったことに起因していると思われます。
想像ですが、おそらくは、この過去の修理において、知らず知らずのうちにシャッターユニットの極細のバネを引っ掛けてしまい、そのバネが外れたことに気づかず、そのままの状態で、カメラを組み上げてしまった後、十分な動作確認を行わず、正常に動作するものと判断して修理を終えてしまったためと思われます。
いづれにしても、過去に他の人が行った修理のミスを見つけるのは、かなり厄介な作業でした。
主な修理内容は下記の通りです。
・シャッター不良修理
・シャッター速度点検
・シャッター幕軸清掃
・スローガバナー注油
・シャッターリンケージ清掃
・露出計精度調整
・ファインダー清掃
・フィルム室清掃
・外観清掃
こちらの記事を見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラ修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。