ASAHI PENTAX SPOTMATIC F

「令和」になって最初のフィルムカメラ修理のご紹介は昭和48年発売のペンタックスSPF(SPOTMATIC F)です。

ペンタックスSPの改良モデルとして発売されたのが、こちらのペンタックスSPFです。

SPは絞り込み測光のTTL露出計を内蔵していましたが、SPFは開放測光を可能した改良モデルです。ホットシューも追加されています。

SPFで開放測光を行うには開放測光に対応した「Super-Multi-Coated TAKUMAR」 または 「SMC TAKUMAR」 と書かれているレンズが必要です。数は少ないですが、「Super-Takumar」と銘板に表記されたレンズでも開放測光に対応したレンズ(現物は未確認)が存在するようです。

M42マウント(プラクチカマウント)レンズで開放測光が正しく機能しない場合でも、SPFでは絞り込み測光が可能となっています。

開放測光対応レンズ

開放測光非対応レンズ

開放測光に対応と非対応レンズ比較(マウント側)

絞り込み測光はSPでは露出計をONするスイッチ部分がSPFの絞り込み測光の切り替えスイッチになっています。

絞り込みの切り替えスイッチ

修理内容

こちらのSPFは時々ミラーアップをしてしまうとのことです。

修理の前に動作の確認を行いました。
なかなかミラーアップの症状は出ませんでしたが、ほんの時々、ミラーアップをしてしまいます。

SPFのミラーアップはスローガバナーの油切れの可能性があるため、こちらに注油をして、動作検証を行いました。

日にちをおきながら、シャッターを切りましたが、今のところ、ミラーアップの症状は出ていません。

ミラーアップ以外は、露出計の指針に少しズレがあります。

指針は明るい時も、暗い時も、アンダー側に2段ほどズレています。

SPFの露出計を合わせるには、接眼レンズの左右についている可変抵抗を使って調整を行います。

可変抵抗がある箇所の写真を撮り忘れました。
矢印の先に可変抵抗があります。

左右の可変抵抗は明るい時用の調整と暗い時用の調整がありますので、測定器を使ってバランスよく調整を行います。

その他、ファインダーの清掃や外装の清掃を行いました。
ボディがブラックペイントなので、軍艦部を磨くと、くすんでいた黒が黒光りしました。
シルバーカラーはクラシカルでとても品の良い雰囲気ですが、ブラックペイントは、精悍なマスクで、シルバーとはまた一味違うカッコ良さがあります。

ペンタックスSPFの修理のお問い合わせはこちらからどうぞ

これまでのペンタックスの修理一覧はこちら

これまでのカメラ修理ブログ一覧はこちら