PENTAX MX
今日はペンタックスMXのフィルムカメラ修理をご紹介します。
修理内容
こちらのMXは、シャッターボタンが押せないということで、修理依頼がありました。
シャッターボタンロック
ご依頼者様からは、シャッターボタンロックのねじが緩んで、部品が欠品していたり、カメラ内部に入り込んでいるとの連絡を受けていたため、早速、シャッターボタンロックの分解を行いました。
緩んでいたねじ
予想としては、シャッターボタン内部の軸とベアリングやスプリングを紛失していると考えていましたが、実際に欠品していたのは、シャッターボタン内部の軸とベアリングを受ける皿のような金属板でした。
そして、金属板はなぜか、裏蓋を開けると、出て来ました。
軸については、カメラ内には入っていなかったため、紛失したものと思われます。ベアリングやバネは油の粘りで、シャッターボタン側にくっついていました。
必要な部品を用意して取り付け、問題なくシャッターボタンは押せるようになりました。
接眼レンズ
点検を行うと、接眼レンズが接眼レンズ枠から脱落していることに気づきました。
赤枠の部分に少し隙間が見られます
この接眼レンズは枠にはめた際、樹脂のようなもので接着されいますが、分解すると、樹脂部分はきれいになくなっており、接眼レンズは枠に接着されていない状態でした。
また、接眼レンズ内には、2cmくらいのスジのような模様が見られたため、接眼レンズそのものも交換を行いました。
その他の作業
ASA感度の確認窓も、接着がはがれて脱落していため、再接着しました。
フォーカシングスクリーンはキズが目立つため、交換しました。
マウントリングのすべりが悪いため、清掃し、薄くグリスを塗ってから拭き取りました。
その他、下記のような作業を行いました。
・モルト交換
・ファインダー清掃
・シャッター幕軸注油
・シャッター速度調整
・露出計調整
・裏蓋清掃
・フィルム室清掃
・トップカバー清掃