PENTAX ME
今日はペンタックスMEのフィルムカメラ修理をご紹介します。
ペンタックスMEは、ペンタックスMXの兄弟機とし、1976年(昭和51年)に、MXとともに発売されました。
フルメカニカル機のMXに対して、絞り優先AE専用機のMEという位置づけで、性格の異なる兄弟でした。
当時のライバル、キヤノンAE-1や、オリンパスOM-2の対抗機種として発売されたようですが、「小型一眼レフといえばペンタックス」というイメージが定着していくきっかけとなった機種です。
露出計は、最先端のLSIを採用し、受光素子にはGPD(ガリウム砒素リンフォトダイオード)を使用しています。
シャッターには、ペンタックスK2で使われたセイコー光機の縦走りシャッターユニットの後継モデルで、小型化されたMFC-Eを採用しています。
AE専用ということもあり、シャッターダイヤルの割り当ては、「L(ロック)」、「AUTO」、「100X(1/100秒 X接点)」、「B(バルブ)」と割り切りの良いシンプルなものです。
このシャッターダイヤルの割り当ては当時としては、かなり斬新な試みでした。
これは、煩わしいシャッタースピードの操作を無くすことで、撮影者はファインダーに集中でき、ピント合わせやフレーミングなど、被写体に専念できるというメリットがあり、このコンセプトは後継機種にも引き継がれていきます。
不具合状況
こちらのペンタックスMEは、かなり長い期間、使用しておらず、電池を入れるとシャッターは切れたが、シャッタースピードの精度に不安があり、モルトプレーンがかなり劣化しているので交換をしたいとのことで、修理のご依頼がありました。
修理内容
ペンタックスMEはMXと同様、カメラ内部にモルトプレーンを多用しています。
モルトプレーンは、一般的なフィルム室の遮光用やリターンミラーの緩衝用だけでなく、ボディシャーシの遮光用、シャッターユニット周辺の遮光用(静音用?)、露出計基板の緩衝用、ファインダー内の遮光用など、かなり多くのモルトが貼られています。
主な修理内容は下記の通りです。
・露出計調整
・ファインダー分解清掃
・セルフタイマー注油
・フィルム室清掃
・外観清掃
・フィルム室遮光用モルト交換
・リターンミラー緩衝用モルト交換
・ボディシャーシ遮光用モルト交換
・シャッターユニット遮光用モルト交換
・ファインダー遮光用モルト交換
・露出計基板用緩衝用モルト交換
こちらの修理ブログを見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラの修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。