OLYMPUS OM-1N

今日はオリンパスOM-1Nのフィルムカメラ修理をご紹介します。

OM-1Nは1979年3月に発売されました。
写真にあるブラックボディは当時54,000円でした。
ちなみにシルバーは50,000円でした。

基本的な機能はOM-1と同じですが、追加された機能としては、OM-1MDに専用ストロボ連動用接点を組み込み、ファインダー内に充電完了のLEDランプが点灯する機能が追加されたモデルです。

OM-1NはOM-1後期型やOM-1MDとほぼ見た目はほぼ同じですが、外観からは、上記写真にあるように、トップカバーの左肩に刻印された「N」の文字で判別できます。

また、OM-1Nの電源スイッチは基板化されています。
写真の左肩部分が、基板化されたスイッチです。

OM-1でも後期モデルの一部に上記写真にあるような基板を使ったスイッチを採用しているものがあります。

スイッチとしての機能的な違いはありません。
おそらくは生産コストや機械精度の理由から、アナログ的なリレースイッチを止めて、基板化してスライドスイッチに変更したものと思われます。

機能的な違いはありませんが、スイッチレバーをON/OFFした際に微妙な感触の違いはあります。
基板化されていないスイッチのON/OFFはやや軽く、基板化されたスイッチのON/OFFは摩擦抵抗があるため、やや重く感じますが、その差は意識しないと気づかない程度と思われます。

修理内容

こちらのOM-1Nは下記の通り、不具合の修理を行ないました。

◆接眼レンズの汚れ
接眼レンズの中央部分に汚れ(クモリ?)があります。

こちらは、カメラを分解すると、接眼レンズが外れていました。
接眼レンズは通常、固定されており、外れることはありませんが、こちらのカメラの接眼レンズは、合わせレンズが割れていました。

おそらくこの状態では、正確なピント合わせは難しいかと思われます。
こちらは、接眼レンズを交換しました。

◆プリズムの腐食
お客様の事前連絡では「腐食はないよう」とのことでしたが、残念ながらプリズムの腐食が見られました。
腐食はファインダーを覗いた時に、中央より左下に見られましたが、実際にプリズムを取り出すと、腐食は左右にありました。

プリズムの腐食は写真の下部左右にあります。

お客様には、プリズムの腐食範囲はまだ狭いので、そのまま利用することもご提案しましたが、相談の結果、プリズム交換となりました。

◆シャッタースピードの調整
おおむね良好でしたが、測定器を使って測ると、高速側(1/250~1/1000秒)がやや速いため、シャッタースピードの調整を行いました。

◆露出計の調整
露出計については、カメラに1.5Vの電池が入っていましたので、そのままの状態で、測定器を使い、明暗を変えて測ったところ、指針は適正露出よりも、1.5段程度、[+]側に振れていました。

この露出計に合わせて撮影した場合、適正露出よりも絞り込む結果となるため、プリント時に補正はされるものの、意図した露出よりもやや暗い写真が撮れると思われます。

本来、OM-1は1.35Vの電圧の電池を利用しますので、1.35Vに電圧変換した電池で測定すると、露出計の指針は半段くらい[-]側に振れましたので、1.35Vの電池を利用した方が、適正露出に近い値となります。

電池の電圧については、お客様に相談し、電池アダプターを使って、1.35Vに変圧した電池を利用するということになり、1.35Vに合わせた形で露出計の調整を行いました。

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