Olympus OM-1

今日はオリンパス OM-1のカメラ修理をご紹介します。

オリンパスOM-1は、最初のOM-1が昭和47年(1972年)に発売されてから47年の年月が経過していますが、いまでも愛される人気のあるカメラです。発売時の価格は39,500円でした。

ボディーの小型化とシャッターの作動音、巻き上げの滑らかさ等、きちんと整備を行えば、いまでもすばらしいカメラと思います。

修理内容

OM-1によくみられる不具合にプリズム腐食や底面のギアの噛み合わせの不具合による、巻き上げ不良などがありますが、こちらのカメラは、露出計の動作が不安定なことと、巻き上げ時にフィルムが滑って、コマが重なる時があるとのことでした。

お客様によると以前、こちらのカメラは修理を行なったとのことでしたが、撮影中に露出計の針が安定しなかったり、場合によっては露出計が全く動作しない時があるとのことでした。露出計は、実際にファインダーを覗いてみると、露出計の針に少しふらつきがあったり、時々、反応しなくなったりしました。また、コマの重なりについては実際に撮影されたフィルムを見せていただきましたが、複数枚、重なりが確認できました。

まず、露出計についてですが、カメラの電池室を見ると、電池を押さえる金具板の下にゴムと紙の破片が挟まっているのがすぐに目付きました。お客様によると、以前修理に出した際、そのように修理が行われたとのことでした。

預かった際の電池室の状態
金具板の下にゴムと紙が確認できます。また、金具板の根本のネジが接着剤で固められています。

通常であれば、金具板にはゴムや紙は挟まっておらず、金具板はネジでしっかり固定されており、金具板とネジは絶縁されていなければなりません。

おそらく以前行った修理は、金具板を寸法が合わないネジを使って締めようとしたが、しっかりと締められず、そのため、ネジを接着剤で固定したようです。しかし、金具板はしっかりと固定できていないため、金具板のテンションが出せず、その対策として、金具板にゴムを貼り、その隙間に紙を挟んでテンションを出したものと思われます。

しかし、現状、金具板にぐらつきあり、ネジとの絶縁処理もしっかりされていないため、露出計の針がふらついたり、動作しなかったりしていると思われます。

こちらの修理は、金具板を寸法が合ったネジでしっかりと固定し、絶縁処理を行うことで、露出計が安定して動作するようになりました。実際にお客様にもご確認いただきましたが、以前と異なり、露出計の針は安定して振れているとのお言葉をいただきました。

フィルムのコマの重なりについては、フィルムを装填する際のプラスチックの筒状のパーツを交換しました。また、念のため、店舗にてフィルム装填について、お客様に説明を行いました。

お客様のお話では、フィルムのコマが重なっている場合、巻き上げ時に感触で分かるとのことでしたので、お客様自身にも実際にフィルムの装填を行っていただき、巻き上げ時の感触をご確認していただきましたが、問題ない様子だとのお言葉をいただきました。

その他、通常の整備として、シャッター速度の調整や露出計の調整なども同時に行っております。

オリンパスのカメラ修理一覧はこちら

これまでのカメラ修理ブログはこちら

カメラ修理のお問い合わせはこちら