Nikomat FTN
今日はニコマートFTNのカメラ修理をご紹介します。
ニコマートFTNはレンズ装着後、絞り環を往復させることで、簡単に開放測光が可能になったカメラです。
また、測光もこれまでのニコマートシリーズの平均測光から、中央重点測光が取り入れられました。
修理概要
こちらのニコマートFTNは何年も押入れにしまってあったとのことで、実際にフィルムを入れて撮影したところ、問題なく撮れたとのことでしたが、汚れ等があるためメンテナンスを依頼されました。
修理内容
カメラの状態を確認したところ、重大な不具合が見つかりました。
不具合の内容は、シャッターダイヤル位置が1段ずれていることです。
測定器を使って測ると、1/500秒のダイヤル位置にも関わらず、1/1000秒の速度でシャッターが切れています。
さらに、シャッターダイヤルをB(バルブ)に合わせて切ると、やはり1段ズレてしまい、1秒の速度でシャッターが切れる状態になります。つまり、バルブは切れません。
1/500秒にシャッターダイヤルを合わせた状態
ほぼ1/1000秒のシャッター速度B(バルブ)にシャッターダイヤルを合わせた状態
ほぼ1秒のシャッター速度通常の使い方で、このようにシャッターダイヤルがズレるような不具合は起きないので、こちらは、過去に素人の方が分解を行い、間違って組み上げてしまったためと思われます。
その他には、シャッタースピードの確認や露出計動作の確認、ファインダー清掃、モルト交換、外装の清掃などを行いました。
また、ネームプレートに深い傷があり、目立つため、ネームプレートの交換も行っております。
交換前のネームプレート
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