Nikon FE

Nikon FE フィルムカメラ修理

仕様

形式電子制御35㎜フォーカルプレーン一眼レフ
ファインダーペンタプリズム固定
ファインダー視野率視野率約93%、倍率0.86倍
シャッター電子制御式金属羽根縦走りフォーカルプレーン(コパル製)
シャッタースピードオート:8~1/1,000 秒(無段階)
マニュアル:B(メカニカルシャッター)・M90(メカニカルシャッター)・
8~1/1,000 秒(16段階)・X接点:1/125同調
露出制御A(絞り優先AE)、M(マニュアル)
測光方式TTL中央部重点測光、SPD使用。測光範囲は ASA/ISO 100で EV1~18
露出計連動方式Ai方式(可倒式レバー式)
マウントNikon Fマウント
電源LR44(またはSR44)x2個・CR1/3Nx1個
大きさ幅142.5mm x 高さ89.5mm x 奥行57.5mm
重量590g
発売年月1978年(昭和53年)3月
発売価格69,000円(ボディのみ)

修理内容

こちらのニコンFEは、2002年にシャッターが切れなくなり、以後、防湿ケースにて保管状態とのことでした。電池の液漏れは無く、電池を入れてみたが、露出機の追針は動作しなかったとのことです。また、ファインダーに少し曇りがあるとのことです。

カメラが送られてきて、カメラを拝見したところ、こちらのカメラはショック品でした。

下記がカメラの状態と修理内容となります。

巻き上げ

Nikon FE フィルムカメラ修理
巻き上げ不良

巻き上げは出来ず、レバーがスカスカな状態です。

巻き上げは、「振り子」と「ロックレバー」と呼ばれる部品の動きが悪いのが原因となり、巻き上げが出来ない状態になっていました。

修理は、この振り子とロックレバーを動作させることで、巻き上げが出来るようになりました。

シャッター速度

シャッター速度は、測定器で測ると、かなり速い状態でした。
具体的には、1/1000秒が1/2000秒を超える速度値を示していました。

シャッター速度は調整を行い、許容範囲に収まるよう調整を行っております。

バッテリーチェック

バッテリーチェックレバー周辺にかなり汚れが付着しており、これが原因でレバーが動作不良を起こしていました。

付着した汚れを清掃することで、レバーは動作するようになりました。

裏蓋

裏蓋は外観からは分かりませんが、(落下の影響?で)わずかに内側に反っていました。

こちらは、修正を行い、修正前よりは閉めやすくなりました。

底蓋

Nikon FE フィルムカメラ修理
底蓋補修前
Nikon FE フィルムカメラ修理
底蓋補修後

底蓋の巻き上げ側に1.5cmくらいの線状の打痕とその周辺に凹みが見られました。

打痕部分は、一目で確認できるくらい凹み大きく、それなりのショックがあったことが見て取れます。

こちらは、巻き上げに支障が出ることが考えられるため、打痕周辺の凹みについては、底蓋の裏側から叩き出しを行いました。

接眼

接眼側にかなり大きな凹みが見られます。
凹みの具合からすると、かなり強い力が加わったものと思われます。

残念ながら、こちらは、ショックが大きく、凹みの修正は不可能と判断しました。

また、アイピースについても外すことが困難で、無理に外すと、ガラスが割れる可能性があるため、今回、アイピースについては、外さずに清掃を行っています。

ファインダー

ファインダーは、少し曇りと、汚れが目立つため、清掃を行いました。

露出計

露出計は測定器で測ると、1段程度のズレ(指針が適正露出よりも上を指す)がありました。

こちらは、適正露出を示すよう、露出計の調整を行っております。

主な修理内容は下記の通りです。

・シャッター不良修理
・バッテリーチェックレバー可動不良修理
・裏蓋変形修正
・底蓋凹み修正
・シャッター速度精度調整
・露出計精度調整
・劣化モルト交換
・ファインダー清掃
・フィルム室清掃
・外観清掃
こちらの記事の目的は、修理をご依頼していただいたお客様に向けての修理内容のご紹介となっております。
こちらの記事を見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラ修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。