Nikon FEミラーアップ 巻き戻しクランク部品外れ

Nikon FE

今日はニコンFEのフィルムカメラ修理をご紹介します。

修理内容

こちらのニコンFEは、巻き戻しクランクが外れており、いくつかの部品は紛失してしまったとのことです。
また、裏蓋を開けることが出来ない状態とのことで、修理依頼がありました。

カメラが到着して、実機を確認しました。

巻き戻しクランク

巻き戻しクランクを確認したところ、フリクションバネを紛失していました。
また、巻戻軸ガイドはカメラ内部に脱落していました。

ミラーアップ

カメラはミラーアップ状態でした。

ミラーアップを一時的に解除してから、再度シャッターを切ると、時々ミラーアップを起こします。

こちらは、シャッターユニットの幕軸の清掃を行いました。

シャッタースピード

高速側（1/1000秒と1/500秒）のシャッタースピードが異常に速く、調整が難航しました。

高速側のシャッタースピードが速い原因は、シャッターチャージしたまま長期間保管されていたことが原因で、その影響で、シャッターのバネの伸縮幅が狭まったためと思われます。

シャッタースピードの調整は、個々のシャッタースピードを調整できるのでは無く、全体のシャッタースピードのバランスを見ながら調整を行いますが、高速側のシャッタースピードが異常に速い影響で、全体的にややシャッタースピードを遅く調整しております。

露出計精度

測定器を使って露出計を測りました。

結果は適正露出よりも、半段から1段くらいのズレが見られましたので、露出計の調整を行いました。

巻き上げ鳴き

巻き上げ時に鳴きがみられましたので、巻き上げ軸に注油を行いました。

レンズ

レンズは特に前玉の外側付近にカビが多く見られます。

レンズについては、分解清掃を行いました。
ピントリングが少し固かったため、調整を行いました。
カビについては、ほぼ除去できましたが、後玉の曇りについては、ガラス硝材自体が曇っているため、分解清掃では曇りを除去できませんでした

主な修理内容は下記の通りです。