Nikomat FTn

今日は、ニコマートFTnの修理をご紹介します。

ニコマートFTnは1967年にニコン(当時は日本光学工業)から発売されたカメラです。このFTnからレンズの開放F値を半自動で伝達する機構(いわゆるガチャガチャ)が採用されました。

FTnは普及機だったので、かなりの数が生産されたと思われ、今でも中古屋さんではよく見かけるカメラです。重量はボディのみで820gで、普及機とはいえ、作りはしっかりしており、さすがニコンのカメラです。

発売時の価格はボディのみで55,500円、レンズ(50mm F2)付きで70,000円だったそうです。1967年当時の大卒初任給が3万円を切っていたようなので、普及機とはいえ、高価な買い物だったと思われます。

さて、こちらのニコマートFTnの主な不具合の症状は3点です。
1.レリーズ時、ミラーアップが遅かったり、ミラーが途中で止まる
2.モルトプレーンが経年劣化による加水分解でポロポロとスクリーンに落ちて、ファインダーがかなり見にくい状態
3.レンズの開放F値を伝達する、いわゆるガチャガチャの部分の動きがぎこちない

1.のミラーアップの問題はミラーボックスを取り出し、清掃、注油することで修理を行います。

2.のスクリーンの問題は原因となっているモルトの張替とスクリーン清掃を行います。

3.のガチャガチャの動作がぎこちないのは下記写真の赤丸部分が固着して、動作しない状態のためです。
こちらは、清掃と注油で本来の動作に戻します。

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