シャッター優先AEとハイブリットシャッターを搭載した高級AE一眼レフカメラ
キヤノンEFには、最初で最後になった主要機構が採用されており、例えば、この時代のキヤノンのカメラとしては、唯一の縦走り式金属シャッター幕を採用しています。
露出計は、測光素子に当時としては先進的な、SPC(シリコンフォトセル)を用い、TTL開放測光・中央重点平均を備えています。
シャッターは、ハイブリッド式のシャッターですが、機械式のシャッタースピードは、B・1/2秒~1/1000秒とかなりの低速までカバーしています。そして、電子式のシャッタースピードは、1秒~30秒までをカバーしており、かなりの長秒露光に対応しています。

仕様
形式35㎜一眼レフ
ファインダーペンタ固定アイレベル式
ファインダー倍率:0.82倍
ファインダー視野率:上下92%、左右93%
シャッタースピード2秒~1/1000秒、B、X(機械式)
30~1秒(電子式)
マウントFDマウント
測光モードTTL開放測光・中央重点平均測光(EV-2~EV18/ISO100)
使用電源HD型水銀電池(1.3V)2個
大きさ幅147mm x 高さ96mm x 奥行48mm
重量740g
発売年月1973年(昭和48年)11月
発売価格89,500円(FD50mm F1.4SSC付き)
修理内容

こちらのキヤノンEFは、レンズを装着している時には、不具合はありませんが、レンズを外した時に限り、絞り込みレバーが戻らなくなり、さらにミラーアップを起こしてしまい、シャッターが切れなくなるという不具合があります。

絞り込みレバー不良

Canon EF フィルムカメラ修理
赤丸の箇所が絞り込みレバー部分

こちらの不具合については、修理を始めた時点では、絞り込みレバーが動作しないため、絞り込みレバー自体に問題生じていると考えました。

しかし、修理を進めていくに従い、絞り込みレバー自体に問題はなく、リターンミラー側の動作に原因があることが判りました。

修理は、リターンミラーの動作不良を直すことにより、絞り込みレバーの動きも正常に動作するようになり、ミラーアップも解消して、レンズを装着していない状態でも、正常にシャッターが切れるようになりました。

修理後の動作検証においても、検証中に不具合の再発は一度も見られませんでした。

Canon EF フィルムカメラ修理
この修理レビューの目的は、修理をご依頼していただいたお客様に向けての修理内容のご紹介となっております。
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