OLYMPUS OM-1N
今日は、オリンパスOM-1Nのフィルムカメラ修理をご紹介します。
不具合箇所
こちらのOM-1Nは、久しぶりにカメラを取り出したところ、露出計が壊れてしまったようとのことでした。
電池を交換し、絞りを変えても、シャッタースピードを変えても、針が下に落ちたまま振れず、バルブ状態にするとやや針がプラスに動く※とのことです。
3年ほど前に、他の修理店へ修理に出した際も、同じ状態になっていたのを直してもらったとのことでしたが、また同じように戻ってしまったとのことです。
※バルブ状態の時は、電池が無くても針が振れる仕様なので、露出計が動作しているかどうかの判断にはなりません。
修理内容
露出計についてはご指摘通り、動作していませんでした。
露出計の不具合の原因を探るため、少し分解して、簡易的な試験を行ってみました。
まず、底蓋を分解し、電池室の金属板と配線を繋ぐ半田部分を見てみたところ、半田部分が、少し腐食していました。
次に、トップカバーを分解し、テスターを使い、露出計の指針が反応するか試験を行いました。
試験結果は良好で、露出計は反応しました。結論としては、電池室の半田部分の腐食が原因で、半田を付け直すことで、露出計は動作するようになりました。
シャッター速度を専用の測定器を使い測ってみましたが、やや速度にバラつきが見られます。
こちらは、シャッターの幕軸への注油を行った後、シャッター速度の調整を行いました。
スローシャッターは、やや油切れのような音を感じます。
こちらは、スローガバナーというスローシャッターを作り出すギア群に注油を行っています。シャッターダイヤルがやや固く、重く感じます。
OM-1系のシャッターダイヤルは極端に固いものに時々出会います。シャッターダイヤルの固さは、分解調整により調整が可能です。
ただし、いままで固い状態で使われてきたお客様のフィーリングもありますので、極端に固い状態から、滑らかなダイヤル操作に調整すると、戸惑うかもしれません。シャッターダイヤルの調整については、事前に確認し、調整を行うということになりました。
こちらの修理ブログを見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラの修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。