OLYMPUS OM-1
今日はオリンパス OM-1のカメラ修理をご紹介します。
OM-1は軽量で、小さすぎず、大きすぎないボディ、軽い巻き上げに、軽快なシャッター音、そして、ZUIKOレンズ群が魅力です。
OM-1は、この修理ブログに何度も書いていますが、やはり人気があるカメラのため、若い方から中高年の方まで、幅広い層の方々に愛用されており、たとえ故障しても、修理して使い続ける方が多くいるように感じます。
OM-1の故障で一番多いと思われる箇所は底部にあるギアの噛み合わせの不具合です。原因として、巻き上げ時にギアが噛んでしまうことがあります。この箇所は年代によって、いろいろと部品の改良が行われている様子ですが、やはり、部品の経年劣化もあるためか、この症状が発生することがあります。
当店でも、修理依頼が多いカメラのため、故障が多いと思われる方もいらっしゃると思われます。
しかし、OM-1自体はメンテナス性が良いため、たとえ故障しても、修理を行えばまだまだ使えることが多いです。
修理内容
こちらのOM-1はお客様より、シャッターが切れず、巻き上げレバーが空転してしまい、フィルムが巻き上がらないとのことで、修理に持ち込まれたカメラです。
早速、カメラを拝見してみます。
最初に、底部のギアの噛み合わせを見てみると、やはりギアの噛み合わせがおかしいようです。まずは、このギアの噛み合わせを修理しようと思い、ギアを取り外してからシャッターチャージして巻き上げレバーを巻いてみました。本来であれば、巻き上げ時にギアは決まった位置に止まるはずですが、巻き上げが空回りしてしまい、決まった位置に止まりません。
次に、巻き上げユニットを取り外し、巻き上げ軸を交換してみました。
巻き上げユニットを取り外した状態
巻き上げユニット(ダンパー部分破損)
巻き上げ軸
巻き上げユニットを取り外すと、ダンパー部分が劣化のため、破損していましたが、その他は問題が無いように見えます。
ひとまず、ユニットを分解して、ダンパー部分の修理と巻き上げ軸の部分の交換を行ってみます。巻き上げ軸を交換後、巻き上げを行うと、問題なく巻き上げが出来るようになりました。
念ため、元の巻き上げ軸に組み直して、取り付けてみると、やはり巻き上げレバーは空回りしてしまいますので、やはり巻き上げ軸に問題があると判断し、巻き上げ軸の部品交換を行いました。巻き上げ軸を交換後、ギアの噛み合わせを修理したのち、正常にシャッターが切れるようになりました。
この後は各部を点検し、清掃、注油、シャッター速度調整、露出計調整などを行い、修理完了となります。