全世界で400万台売り上げたと言われているベストセラー機です。
フィルムカメラ初心者の方にも人気は高く、初めての1台に選ばれる方が多くいられます。
機械式のフルマニュアルカメラですが、露出計は装備されています。

仕様
型式35㎜フォーカルプレーンシャッター式一眼レフ
マウントM42マウント(スクリューマウント)
シャッター機械式布幕横走りフォーカルプレーン
シャッタースピードB・1~1/1000秒
ファインダーペンタプリズム固定 ファインダー倍率0.88倍(視野率93%)
測光方式平均測光式 TTL露出計内蔵(CDS(硫化カドミウムフォトダイオード))
使用電源1.3V水銀電池x1個(H-B型)
大きさ幅143mm x 高さ92mm x 奥行87mm
重量868g
発売年月1964年(昭和39年)
発売価格51,000円(50mmF1.4付)
修理内容

こちらのペンタックスSPは、巻き上げレバーが固く最後まで巻けないときがあるとのことです。
また、ファインダーを覗くと黒い線が見えており、ミラーアップも時々起き、セルフタイマーレバーが固着して動かず、露出計も作動しないとのことで、修理依頼がありました。

巻き上げ

巻き上げレバーが固いとのことでしたが、カメラをお預かりして、動作確認を行ったところ、ご指摘にあるような巻上レバーが固くなり、最後まで巻けないという不具合は、再現しませんでした。

こちらについては、念のため、巻き上げに関連する箇所への注油を行いました。

ミラーアップ

ミラーアップについては、修理完了まで、動作確認を行いましたが、再現されませんでした。

おそらく、シャッターに関連するギアやレバー等の油切れやゴミなどがグリスに付着して、動きを悪くしていたのではないかと思われたため、念のため、カメラを分解した際に、必要な箇所を清掃、注油を行いました。

ファインダーを覗くと黒い線

黒い線の原因は、プリズム腐食のため、プリズムの部品交換を行っております。

通電不良

電池室下にある接点用金属板の腐食により、通電不良を起こしていました。
こちらは、部品交換を行い、通電することを確認しております。

露出計

電池室の修理後、露出計を起動してみましたが、露出計の指針の反応は非常に弱く、受光素子の劣化が疑われるため、受光素子の部品交換を行いました。

受光素子交換後、露出計の指針の反応は良くなり、露出計の精度調整を行い、適正露出を示すようになりました。

セルフタイマーボタンの固着

セルフタイマーのボタン部分が腐食して固着していました。

部品交換を考えていましたが、何度も清掃することで、部品交換をすることなく、動作するようになりました。

主な修理箇所

  • シャッター幕軸注油
  • スローガバナー注油
  • シャッター速度精度確認調整
  • 露出計精度調整
  • 露出計修理(受光素子部品交換)
  • 電池室腐食修理(金属板類部品交換)
  • プリズム腐食修理(プリズム部品交換)
  • セルフタイマーボタン固着修理
  • 巻き上げ軸注油
  • 劣化モルト交換
  • ファインダー清掃
  • フィルム室清掃
  • 外装清掃
PENTAX SP フィルムカメラ修理
この修理レビューの目的は、修理をご依頼していただいたお客様に向けての修理内容のご紹介となっております。
こちらの修理ブログを見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラの修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。