PENTAX MV1
今日はペンタックスMV1のフィルムカメラ修理をご紹介します。
MV1は小型軽量で、AUTOに合わせて撮れば、難しい操作は必要なく、ピントと絞りを合わせるだけで、簡単に楽しく撮影ができます。
ファインダーを覗いた際の露出計の表示も、簡単になっています。
露出を合わせる場合は、シャッターボタンを半押しすると、露出のアンダー、適正、オバーが3つの色で表現されていて、緑色に合わせれば、露出はOKという簡便さで、難しいことをアレコレ考える必要がないことに好感が持てます。
修理概要
こちらのMV1は、下記の点について、修理依頼がありました。
・巻き上げレバーが動かなくなる
・シャッター幕が戻りにくいことがある
・ファインダーを覗くと黒い斑点がある
・モルトがボロボロ修理内容
修理は主に下記の点について行いました。
・巻き上げ不良修理
・シャッター不良修理
・劣化モルト交換
・ファインダー清掃
・フィルム室清掃
・外観清掃分解中のMV1
巻き上げ不良
巻き上げ不良の修理は、巻き上げのユニット部分を分解し、清掃して巻き上げ軸にグリスアップを行いました。
シャッター不良
ミラーボックスを取り出して、清掃を行いました。
シャッター幕の開閉に不具合があるとのことでしたので、シャッターユニットを取り出して、シャッター幕軸にある粘りの清掃を行いました。ミラーボックス取り外し
劣化モルト交換
多くの一眼レフでは、フィルム室やヒンジ部分、リターンミラーなどの部分にモルトが使われていますが、ペンタックスのMシリーズのフィルムカメラは、カメラ内部にもモルトが多く使われています。
MV1の場合、上記部分以外に、シャッターユニットの隅や底面、シャッターユニットと配線の間、ボディシャーシ下部、露出計のLED表示周り、フォーカシングスクリーンの枠周り、接眼レンズ枠下部、ミラーボックスの裏などあらゆる所にモルトが使用されています。
MV1の内部のモルトは前板を外して分解を行わないと交換できない箇所が多いため、少々面倒です。
今回はモルトの劣化が多く見られたため、分解してカメラ内部のモルトも交換しています。ミラーボックス裏のモルト
その他
ASA感度や絞りの摺動抵抗部分の清掃なども行っています。
ここは、露出計に情報伝える大切な箇所ですが、汚れが付着していると、露出計が狂う場合があるので、清掃を行います。絞りの摺動抵抗