PENTAX MV1

今日はペンタックスMV1のフィルムカメラ修理の続きの紹介を行ないます。

Part 1の内容はコチラ
「PENTAX MV1 (ペンタックスMV1) のフィルムカメラ修理 Part 1」

分解手順

前回は、トップカバーを外すまででしたので、その続きをご紹介していきます。

フィルムカウンター

巻き上げレバー下にあるフィルムカウンターのパーツを取り外します。

赤丸部分のネジ3本を外します。
3本のネジはそれぞれ異なるので、どのネジがどこになるのかメモしておきます。
マイナスネジの下はフィルムカウンターの指標となるプラスチックのパーツがありますので、保管しておきます。

フィルムカウンターのパーツには、細い針金(赤丸部分)が引っかけてありますので、その状態をよく観察してメモします。
この針金はフィルムカウンターを組み立てた時に元通りに引っかけないとフィルムカウンターが機能しなくなります。

フィルムカウンターのパーツを取り外した状態
リード線が付いているので、半田コテを使ってリード線を外しておきます。

次にプリズムの上にある基盤を外していきます。

電子基板

基板は一か所だけネジ止めされているので、ネジを外し、半田コテを使って基板からリード線を外していきます。

基板からリード線を外した状態(巻き上げレバー側)

巻き戻しクランク側もリード線も外していきます。

ASA感度の関連パーツのネジとリード線を外します。

ASA感度の関連パーツを取り外した状態
ASA感度のパーツの摺動抵抗部分は軽く清掃を行います。

写真のパーツを外します。
ここを外しておかないと、ミラーボックスを取り外すことができません。

次に、半田コテを使って、基板から残りの配線を外し、基板を外します。

基板を外した状態
基板についている劣化したモルトは交換しておきます。

次にミラーボックスを外していきます。

セルフタイマー

セルフタイマーを外します。
道具は先に使ったゴムなどを使ってもいいですが、ネジが固い場合は、写真のようなハンドプライヤーを使うと簡単に外せます。ネジは逆ネジ(時計回り)ですので、注意が必要です。

取り外したセルフタイマーのパーツ

貼り革

貼り革をはがします。

底蓋

底蓋を外します。
赤丸部分のネジを外します。

底面にリード線が3本、半田付けされているので、取り外します。

赤丸のプラスチックパーツを取り外します。

ミラーボックス

赤丸のネジを外します。

これで、ミラーボックスを外す準備が整いました。

ミラーボックスは少し上に上げながら手前に引け出せば取り外せます。
ミラーボックスには、リード線が付いていますので、線(特に緑色の線に注意)に注意しながら引き出します。

ミラーボックスを外した状態

プリズム、フォーカシングスクリーン、接眼レンズを取り外し、清掃します。

絞りの情報を伝える摺動抵抗部分を清掃します。

絞り

摺動抵抗
金色の部分を清掃します。

ミラーボックスをさらに分解するとブラシが出てきます。
ブラシ部分を清掃します。ブラシ部分は簡単に曲がってしまうので、慎重に清掃を行います。

シャッターユニットを取り出します。

シャッターユニット

シャッターユニットを取り出す前に、電池室(赤丸)と三脚座(青丸)を外します。

シャッターユニットを取り出します。
シャッターユニットは正面に2本のネジ、フィルム室側に1本のネジで固定されているので、ネジを外します。
シャッターユニットを取り出す時は正面から見て、右側を浮かしながら引き出します。

次にシャッター羽根をすべて洗浄します。

シャッター羽根

シャッター羽根をばらすので、シャッターユニットの裏側(フィルム室側)を上にし、ネジ4本を外した後、羽根を押さえているカバーを外します。

カバーを外すと、羽根は固定されていないため、簡単にばらけてしまうので、注意が必要です。

カバーを外した状態

シャッター羽根を洗浄するので、1枚ずつ外していきます。
リング状の金具が2個あるので取り忘れに注意が必要です。

洗浄
シャッター羽根についてゴミや汚れを落とします。

シャッター羽根を洗浄したら、今度は先ほどとは逆の手順でシャッターユニットを組み立てます。

モルト交換

ボディ側
赤枠部分に劣化したモルトがあるので、交換します。

ミラーボックスと電子基板のモルトを貼り替えておきます。赤枠部分
電子基板は反対側にもモルトを一か所貼ります。

シャッターユニットにもモルトを貼ります。赤線部分

底面(シャッターユニット部分)
赤枠部分にモルトを貼ります。

以上で分解手順は完了です。

今回は、シャッターユニットの不良により、シャッターユニットの分解組み立てを2度行いましたが、通常であれば、ここまで整備が出来たら、後は、先ほどと逆の手順でカメラの組み立てを行い、測定を行って修理完了となります。

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