PENTAX MV1

PENTAX MV1 フィルムカメラ修理

今日はペンタックスMV1のフィルムカメラ修理をご紹介します。

ペンタックMV1は1979年(昭和54年)に発売されました。
同社のペンタックスMEをベースにシンプル化されたモデルです。

「ズームシステムカメラ」と呼ばれ、ズームレンズの使用を想定して開発されたカメラで、シンプルなファインダー情報は、シャッタースピードは表示されず、3つの色で露出情報を教えてくれます。

発売当時の価格はブラックボディで37,000円、50ミリF2レンズ付きで49,500円でした。

仕様

形式35㎜フォーカルプレーンシャッター式一眼レフ
ファインダーペンタプリズム固定
シャッター電子式金属縦走行フォーカルプレーン
シャッタースピードオート 1~1/1000秒
マニュアルメカニカル 1/100秒・B(バルブ)
マウントKマウント
測光方式TTL中央重点前面測光
露出制御絞り優先AE
重量430g
大きさ幅132mm x 高さ84mm x 奥行49.5mm

修理内容

こちらのMV1は、ミラーアップでの修理依頼です。

カメラをお預かりして、状態を確認してみました。

不具合としては、ミラーアップ以外に、巻き上げ不良が見られます。

修理を進めていき、シャッターが切れるようになりましたが、どうやら[AUTO]シャッターに速度の変化が見られません。

明るい所でも暗い所でも、一定のシャッタースピードでシャッターが切れます。

また、しばらくすると、突然シャッターが切れなくなりました。

原因は、プリズムを固定している金具が脱落して、巻き上げに関連するレバー部分に金具が挟まったためでした。

プリズム金具

金具を取り出してみました。

プリズムを固定している金具の場所

プリズム

プリズムを取り出してみると、プリズムの角にガラス欠けがみられました。

プリズムは交換を行い、プリズムのガラス片は、カメラ内に飛び散っていたため、分解して、ガラス片の取り出しと清掃を行いました。

分解

シャッターについては、シャッターユニットの不良が原因だったため、シャッターユニットの交換を行いました。

シャッターユニット

絞り値部分の摺動抵抗の清掃を行いました。

絞り値

カメラ内部のモルトも交換を行っています。

モルト交換
モルト交換
モルト交換

主な修理内容は下記の通りです。

・ミラーアップ修理
・巻き上げ不良修理
・シャッター不良修理
・シャッターユニット部品交換
・プリズム部品交換
・シャッター速度調整
・露出計精度調整
・絞り値伝達摺動抵抗清掃
・ファインダー清掃
・劣化モルト交換
・フィルム室清掃
・外観清掃
この修理ブログの目的は、修理をご依頼していただいたお客様に向けての修理内容のご紹介となっております。
こちらの修理ブログを見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラの修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。