PENTAX ME super
今日はペンタックスMEスーパーのフィルムカメラ修理をご紹介します。
発売は1979年(昭和54年)です。
発売時のカラーは、シルバークロームのみでした。絞り優先AEとマニュアル露出が使え、バルブと1/125秒は機械式です。
修理について
こちらのME superは、「動作に問題はないが、フォーカシングスクリーンにキズを付けてしまった。」ということで、一通りのメンテナンスとスクリーンの交換依頼です。
フォーカシングスクリーン
カメラを拝見すると、フォーカシングスクリーンには目立つキズと清掃時の拭きムラ(おそらくスクリーンの表面が溶けている)が見られました。
フォーカシングスクリーンについては、お客様より問題のない交換用スクリーンを提供されていますので、そちらに交換を行いました。
露出計
動作には問題ないとのことでしたが、[AUTO]でも[M]でも、露出計の挙動がおかしい状態です。
[AUTO]は、最初、ファインダーを覗くと、LEDランプがチカチカと点滅し、絞り値を変えたり、測定器の光源を変えても、適正な露出を示すことはありませんでした。
その後、しばらく時間を置いてから、再確認しましたが、最初に確認した時と状況は異なり、点滅の頻度は減り、時々、正常な露出を示すかのような時がありましたが、しばらくすると、同じ光源、同じ絞り値でも、LEDのランプが上下にせわしなく動いたりしています。
[M]でも動作を確認しましたが、やはり[AUTO]時と同じような挙動でした。
結果として、こちらは露出計基板の不良でした。
露出計基板を交換することで、正常に動作するようになりました。
シャッターユニット
シャッターユニットはボディシャーシから降ろして、ユニットの分解清掃とシャッター羽根の洗浄を行いました。
セルフタイマー
セルフタイマーを使用すると、シャッターが切れないことがありました。
こちらは、セルフタイマーからミラーボックスに繋がるレバーにグリスを塗布することで、動作するようになりました。
主な修理内容は下記の通りです。
・シャッター羽根洗浄
・ミラーボックス内ダンパー交換
・ミラーボックス内グリスアップ
・シャッター速度確認(マニュアル時)
・セルフタイマーへの注油
・露出計調整
・露出値確認
・ファインダー分解清掃
・フォーカシングスクリーン交換
・電子基板交換
・フィルム室清掃
・外観清掃
・モルト交換
こちらの修理ブログを見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラの修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。