PENTAX ME

今日は、ペンタックスMEのフィルムカメラ修理をご紹介します。

ペンタックスのMシリーズの発売年は以下のようになります。

1976年 MX
1976年 ME <<< ココ!!
1979年 MV1
1979年 ME SUPER
1981年 ME F
1982年 MG

PENTAX MEは1976年、MXと同じ年に発売になった絞り優先AE専用カメラです。
シャッター速度は8秒~1/1000秒が電子制御、BとX (1/100秒)が機械制御です。
サイズ的にはMXより若干小さく、シャッターはMXが布幕に対して、MEは金属幕となっています。

外装がプラスチックではなく、しっかりとした金属が使われているのも魅力的です。
この時代、カメラはまだまだ高価な品だったので、コストダウンがあまり図られておらず、適度な重厚感があり、手にした感触もしっかりした印象です。

修理内容

こちらのMEはお客様の話では、「巻き上げレバーが動かない」、「シャッターが切れない」という2点の不具合があるとのことです。

修理を進めていくと、さらに、「フィルムカウンターリセット時の戻りが緩慢」、「露出計表示のズレ」、「ホットシューからストロボが発光しない」という不具合がありました。

まず、「巻き上げレバーが動かない」、「シャッターが切れない」という2点の不具合から修理していきます。

巻き上げレバーが動かない原因ですが、こちらはカメラ底部の巻き上げ動作に関連する部品が油やホコリなどにより固着していたことが原因でした。

固着している箇所の洗浄を行い、可動部分に注油を行うことで、巻き上げレバーは通常通り動作しました。
巻き上げレバーが動作したことにより、シャッターも切れるようになりました。

底面

次に「フィルムカウンターの戻りが悪い」というのは、裏蓋を開けた際にフィルムカウンターがリセットされますが、その戻りが緩慢ということです。

こちらは、フィルムカウンターの分解清掃を行ったところ、通常通り、裏蓋開閉の時に素早くフィルムカウンターがリセットされるようになりました。

「露出計表示のズレ」とは、露出計のLED表示が1/2~1段くらいズレが出ているということです。

こちらは露出計のLED表示調整を行いました。

「ホットシューからストロボが発光しない」については、カメラ内部にあるホットシューの接点腐食のため、ストロボが発光していませんでした。

接点を清掃することで、ホットシューからストロボは発光しました。
シンクロターミナルからのストロボ発光は特に問題ありませんでした。

シンクロターミナルと言えば、ここに黒いキャップが付いているカメラをよく見かけると思います。こちらのMEにもキャップが付いていました。

このキャップは、単に見た目の問題ではなく、ある意味があってキャップが付けられています。

その意味とは、ホットシューにストロボと付けて発光した際、シンクロターミナルにも電気が流れるため、感電防止のためにキャップが取り付けられています。

しかし、実際にはキャップを付けていなくても、ホットシューからストロボを使用して、シンクロターミナルから感電した人と言う人をあまり聞きません。それは、シンクロターミナルが周りの環より1ミリ低くなっているためで、そのような工夫によって感電しにくくなっています。

しかし、水に濡れた手のままストロボを使うと感電する恐れがあるので、やはり、キャップは付けておいた方が無難と言えます。

その他にはファインダーの分解清掃や、モルト交換などを行いました。

分解途中の写真
プリズムやフォーカシングスクリーンを取り除いたところ

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