ASAHI PENTAX KX
今日はペンタックスKXのフィルムカメラ修理をご紹介します。
1975年(昭和50年)、ペンタックスは従来のスクリューマント(M42)から新たにバヨネットマウントを採用したKマウントのカメラを3台同時に発売しました。
その3台のうちの1台が、TTLマニュアル露出を搭載したペンタックスKXです。
仕様
形式 35㎜フォーカルプレーンシャッター式一眼レフ ファインダー ペンタプリズム固定 シャッター 機械式ゴム布幕横走行フォーカルプレーン シャッタースピード B・1~1/1000秒・シンクロ速度1/60秒 マウント Kマウント(バヨネットマウント) 測光方式 TTL開放中央重点測光(SPD受光素子) 電源 LR44x2個またはSR44x2個 大きさ 幅143mm x 高さ92.5mm x 奥行52.5mm 重量 631g 発売年月 1975年(昭和50年) 発売価格 49,100円(ブラックは3,000円高) 修理内容
こちらのペンタックスKXは、下記のような症状で修理依頼がありました。
・低速時(1/30以下)ミラーアップしたままとなる
・ファインダーに黒い点あり
・各部モルト劣化
・露出計調整
ミラーアップ
ミラーアップの原因は、シャッター周りの油切れが原因でした。
カメラを点検すると、スローシャッターだけでなく、高速シャッター側でもミラーアップしてしまう状態でした。
カメラを分解してシャッター幕軸とスローガバナーへ注油を行うことで、ミラーアップは直りました。
ファインダー
ファインダーに見える黒い点は、プリズムの腐食でした。
プリズムについては、部品交換を行いました。
モルト
モルトは劣化していたため、カメラ内部のモルトを含め、除去、清掃して新しいモルトに貼り直しました。
露出計
露出計は測定器を使い、適正露出を示すよう、調整を行いました。
セルフタイマー
セルフタイマーを起動させると、セルフタイマーが途中で停止してしまう不具合が見つかりました。
セルフタイマーが途中で止まるのは、スタートレバーの動きが悪く、元の位置に戻らないことが原因です。
修理としては、スタートレバーの新品部品への交換が必要ですが、新品の部品は払底しているため、対応策として、スタートレバーの摩擦抵抗を減らすための、清掃および滑りをよくする修理材を塗布することで、セルフタイマーは動作するようになりました。
主な修理内容は下記の通りです。
・ミラーアップ修理
・シャッター幕軸注油
・スローガバナー注油
・シャッター速度調整
・露出計調整
・劣化モルト交換
・ファインダー分解清掃(接眼レンズ、プリズム、スクリーン)
・フィルム室清掃
・外観清掃
・電池蓋部品交換
・電池接点金属板部品交換
・プリズム部品交換
・シャッター幕軸注油
・スローガバナー注油
・シャッター速度調整
・露出計調整
・劣化モルト交換
・ファインダー分解清掃(接眼レンズ、プリズム、スクリーン)
・フィルム室清掃
・外観清掃
・電池蓋部品交換
・電池接点金属板部品交換
・プリズム部品交換
この修理ブログの目的は、修理をご依頼していただいたお客様に向けての修理内容のご紹介となっております。
こちらの修理ブログを見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラの修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。
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