PENTAX ES II
今日はペンタックスES IIのフィルムカメラ修理をご紹介します。
ペンタックスES IIは1973年(昭和48年)6月に旭光学から発売されました。
前モデルのESよりも、露出制御用の電子回路が集積化されたモデルです。
仕様
形式 35㎜フォーカルプレーンシャッター式一眼レフ ファインダー ペンタプリズム固定、倍率0.88倍 シャッター 電子式・機械式布幕横走りフォーカルプレーン シャッタースピード 機械式 B・1/60~1/1000秒オート 1~1/1000秒
電子式 8~1/1000秒(無段階)マウント M42マウント 測光方式 TTL開放測光 電源 SR44型またはLR44型電池x4個 重量 930g 大きさ 幅143mm x 高さ98mm x 奥行91mm 修理内容
こちらのES IIは、下記のような不具合で修理依頼がありました。
・新品電池に交換し、電池チェックボタンを押しても、露出計部の針は動きません。
・ミラーが上がったままの状態です。
・ミラーを下げてファインダーを覗いたところ、カビか埃のようなもので汚れている
・レンズ(SMC TAKUMAR 1:1.4/50)のカビが多数確認できます。ミラーアップ
ミラーアップは、シャッター関連の油切れが原因で、シャッター幕が走り切らず、一連のシャッター動作がうまく機能していないためでした。
露出計不良
露出計は、配線腐食で通電不良でした。
配線を引き直し、通電はしましたが、露出計は正常に動作しませんでした。露出計は通常、シャッター半押しで動作しますが、こちらのES IIはシャッターを半押ししても動作しませんでした。
しかし、シャッターボタンを押すと、光の明暗によってシャッター速度は変化しているため、AUTO機能は正常に動作しています。
さらに、シャッターを切った際、シャッターボタンを押したままにしていると、露出計は動作し、その指針も正常な値を示していました。
そのため、露出計は故障しておらず、他の箇所に不具合があると考えました。
しかし、結論から言えば、露出計不良の原因は露出計装置そのものの故障によるものでした。修理は、紆余曲折しましたが、露出計装置の部品交換を行うことで、正常に露出計は動作するようになりました。
主な修理内容は下記の通りです。
・電気配線引き直し
・露出計装置部品交換
・露出計精度調整
・ミラーアップ修理
・ファインダー清掃
・フレネルレンズ部品交換
・プリズム部品交換
・シャッター幕軸注油
・シャッター速度調整
・絞り連動摺動抵抗清掃
・劣化モルト交換
・フィルム清掃
・フィルム清掃
・レンズカビ取り清掃
この修理ブログの目的は、修理をご依頼していただいたお客様に向けての修理内容のご紹介となっております。
こちらの修理ブログを見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラの修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。
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