OLYMPUS OM-2
オリンパスOM-2はOM-1とほぼ同じ時期に設計、開発がされていますが、発売はOM-1の3年後となっています。
使われている部品はOM-1と共通の部品が多いのですが、最も大きな違いは、OM-1が機械式シャッターなのに対して、OM-2は電子式シャッターに変わった点です。
仕様
形式 電子式35mmフォーカルプレーンシャッター式一眼レフカメラ ファインダー 視野率約97%(対実画面) 倍率0.92倍(50mm/距離∞) シャッタースピード 電子制御 横走布幕 B・1~1/1000 露出モード 絞り優先AE/マニュアル(定点合致式) 測光方式 TTLダイレクト測光(AE時) 中央重点測光(マニュアル時) 電源 酸化銀電池 SR44 x2個 大きさ 幅136mm x 高さ83mm x 奥行50mm 重量 520g 発売年月 1975年(昭和50年)11月 発売価格 79,500円(ボディーのみ) 修理内容
初めに、オリンパスOM-2の修理については、電気的な不具合等の場合、修理を承ることが出来ない場合がありますので、あらかじめご了承ください。
こちらのOM-2は、シャッターは、問題無く動作しますが、露出計の針は、上下に跳ねて暴れている状態が多く見られ、露出計を使った撮影が厳しい状況です。
また、ファインダーを覗くとプリズムが腐食していたり、巻き戻しレバーが外れていたりしているため、修理依頼がありました。
シャッター
シャッターについては、[AUTO]、[MANUAL]ともに、問題無くシャッターは切れています。
シャッタースピードについては、[MANUAL]のみ測定していますが、全速度、許容範囲内の速度に収まっています。ただし、先幕と後幕の幕速差が見られ、やや速度も全体的に遅い値となっています。
OM-2は、横走の布幕なので、シャッター幕軸へ注油を行った後、測定器を使ってシャッター速度の調整を行いました。
露出計の針の暴れ
露出計については、一応動作はしています。
ただし、針の動きが安定せず、ピョンピョンと上下に針が暴れてしまうことが多く、実際に露出計を使っての撮影は難しい状態です。
露出計の針の暴れは、スイッチ基板に付着したゴミやカーボン汚れなどが原因で、針が安定動作しない場合があります。
修理は、スイッチ部分に付着したゴミなどを念入りに清掃することで、露出計の針は安定動作するようになりました。
露出計調整
露出計の針の暴れの修理を行ない、針が安定して動作するようになった後、測定器を使って露出計を測ったところ、適正露出よりも、およそ1段程度のズレがありました。
露出計のズレについては、測定器を使って調整を行い、針は、適正な露出を示すようになりました。
主な修理内容は下記の通りです。
・巻き戻しレバー取り付け
・シャッター速度精度調整
・シャッター幕軸注油
・露出計針飛び修理
・露出計精度確認調整
・露出値確認
・貼り革浮き修理(貼り革貼り直し)
・劣化モルト交換
・ファインダー簡易清掃
・フィルム室清掃
・外観清掃
・レンズ分解清掃
・絞り羽根開閉不良修理
・レンズ後玉交換
こちらの記事を見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラ修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。