OLYMPUS OM-1N
今日はオリンパスOM-1Nのカメラ修理をご紹介します。
OM-1Nはオリンパスのホームページによると、OM-1MDに専用ストロボ連動用接点を組み込み、ファインダー内に発光ダイオードで専用ストロボT32・T20の充電完了などの表示機能が追加されているとのことです。
簡単に言えば、OM-1MDの改良版で、専用ストロボを使うとLEDが点灯すると言うことです。
内部的には、露出計のスイッチのON/OFF部分が改良されていたり、接眼レンズとCds受光素子がOM-1ではミラーボックスと一体になっていますが、OM-1Nは分離できるようになっており、メンテナンス性が上がっています。
トップカバーを外した状態
左側の露出計スイッチがOM-1とは異なります。修理内容
こちらのOM-1Nは露出計が不安定で、プリズムが腐食しています。
露出計がどのように不安定かというと、シャッター速度によって、露出計が反応したり、しなかったりします。
例えば、1/4秒では露出計が反応するが、1/125では反応しないといった状況です。露出計の修理については、お客様も半分諦めていた様子でしたが、何とかしたいという気持ちで修理に取り掛かりました。
修理としては、露出計に関係している配線周りの半田をすべて付け直しました。
半田を付け直すと、露出計はすべてのシャッター速度で反応するようになりましたが、針の動きが弱く、適正露出よりも下の位置を指し示していました。そのため、露出計を調整して、適正露出を示す位置まで、針を調整しようと思いましたが、針は適正露出よりも2段以上下を指しているため、その調整範囲を超えており、調整はできませんでした。
次にCdsを交換しました。
Cdsを交換すると、先ほどとは違い、針の動きがとても良くなり、針の調整も調整範囲内に収まり、適正露出を示す位置に調整ができました。プリズムは腐食が進んでおり、交換となりました。
プリズムの腐食
左側は交換用プリズム(腐食なし)、右側は腐食したプリズムプリズムカバーも交換
左側は交換用プリズム、右側は腐食したプリズム
交換用のプリズムカバーは接眼レンズ側まで覆われます