Nikomat FT2

Nikomat FT2 フィルムカメラ修理

今日はニコマートFT2のカメラ修理をご紹介します。

修理内容

こちらのニコマートFT2は、AI Nikkor 50mm f1.4S(現行レンズ)との組み合わせで、レンズの絞りが開放にならないという不具合と、スローシャッター(1秒、1/2秒、1/4秒)に粘りがあるとのことで、修理を承りました。

絞り動作不良修理

レンズの絞りの不具合については、当初、レンズの絞り羽根に油の付着が見られたため、それが原因と思っていました。

しかし、レンズの絞り羽根の油を除去しても、絞りの不具合は直りませんでした。

この事から、絞りの不具合の原因はレンズではなく、ボディ側にあると思い、試しに、このレンズ以外に下記9本のレンズを用意し、絞り羽根の状態を確認してみました。

・Ai 50mm f1.4
・Ai 50mm f1.8
・Ai 55mm f3.5 micro
・Ai 135mm f3.5
・Ai 300mm f4.5
・非Ai 50mm f2
・非Ai 55mm f3.5 micro
・非Ai 200mm f4
・非Ai Zoom 35-70mm f3.5

検証は意外な結果となりました。

結果は、すべてのレンズにおいて絞り羽根は正常に動作しました。

この結果から、AI Nikkor 50mm f1.4S(現行レンズ)との組み合わせのみ、絞りの動作に不具合があることが分かりました。

しかしこれで、益々、原因が分からなくなりました。

同じAI 50mm f1.4でも、旧型のレンズであれば、絞り羽根は正常に動作し、現行のレンズでは、絞り羽根の動作に不具合が出ている状態です。

また、検証用として用意したレンズすべてにおいて、絞り羽根の動作に不具合が見られません。

何度も、何度も、絞りの動きを確認していると、カメラ側の絞り連動レバーの動きにわずかな違和感を感じました。

絞り連動レバーは、パッと見ではあまり違いが分からないのですが、よく観察すると、レバーにわずかな歪みが生じている様子です。

このわずかな歪みを修正すると、AI Nikkor 50mm f1.4S(現行レンズ)を装着しても、絞り羽根の動作は正常に戻りました。

おそらく、レンズ装着時に、レバーにレンズのマウント金具などがぶつかり、レバーにわずかな歪みが生じたのではないでしょうか。

他のレンズでは、全く動作に問題がありませんでしたが、現行のAI 50mm f1.4Sでは、このわずかな歪みが原因で、絞り羽根が正常に動作しないという結果となりました。

絞り連動レバー
赤枠部分がレバーの部分です。
Nikomat FT2 絞り連動レバー

スローシャッター不具合

スローシャッター(1秒、1/2秒、1/4秒)の粘りは、スローガバナーの固着のため、清掃、注油することで、正常に動作するようになりました。

今回の主な作業は下記の通りです。

・シャッター不良修理
 スローガバナー注油
・絞り動作不良修理
 絞り連動レバー修正、調整
・ボディ清掃

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