Nikon F2 Photomic A

Nikon F2 Photomic A フィルムカメラ 修理

修理内容

Nikon F2 Photomic A フィルムカメラ 修理

こちらのニコンF2は、シャッターボタンが押せず、巻き上げも出来ないということで、修理依頼がありました。

シャッター不良と巻き上げ不良

Nikon F2 Photomic A フィルムカメラ修理
底面

こちらの動作不良の原因は、レアなケースでした。

シャッターボタンが押せない、巻き上げができないという不具合の原因は様々ですが、まずは、噛み合わせ不良を疑い、カメラを分解し、ミラーボックスを取り出して、ミラーボックスが組み込まれていない状態から、シャッターを切ってみました。

すると、シャッターは問題無く切れ、巻き上げも出来る状態になったため、一旦、ミラーボックスを組み戻して、シャッターを切りながら動作を確認してみました。

何度かシャッターを切ってみましたが、問題なく、シャッターは切れました。

しかし、突然、症状が再発し、巻き上げがロックしてシャッターが押せなくなりました。

再度、ミラーボックスを取り出して、同じように動作確認しましたが、やはり、何度かシャッターを切っていると、症状が再発します。

その状態を何度か繰り返すうちに、ミラーボックスを取り出しても、シャッターが切れず、巻き上げも出来なくなりました。

しかし、何かのタイミングで、再度、シャッターは切れて、巻き上げが出来るようになりました。

このことから、噛み合わせ不良が原因ではないと考え、別の角度から不具合を探しました。

まずは、過去の修理にあった、巻き上げレバーの破損を疑い、巻き上げレバーを分解してみましたが、こちらは、特に問題はありませんでした。

さらにカメラを分解し、色々な角度からカメラを観察していたところ、底面のシャッターに関連するリンケージの一部の動作にあやしい箇所が見つかりました。

その箇所を確認するため、正常動作のF2をもう一台分解し、比較したところ、レバーの一部に本来のテンションが掛かっていないことが判明しました。

修理は、このレバーを本来のテンションに戻すことで、巻き上げもシャッターも問題無く動作するようになりました。

今回は、かなりレアな不具合でしたが、修理後にこのカメラについて、話を伺うと、どうやら過去にカメラを落下したことがあるとのことでした。

しかし、落下後もしばらくは問題なく使用できていたとのことでしたが、おそらく、落下の影響が、時間の経過とともに出たのではないかと思われます。

こちらの記事の目的は、修理をご依頼していただいたお客様に向けての修理内容のご紹介となっております。
こちらの記事を見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種、同一症状のカメラ修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。