Nikomat FTN

今日はニコマートFTNのカメラ修理をご紹介します。

ニコマートの由来については、以前書いた通り、「Nikkorレンズを使える仲間」との意味です。

ニコンのカメラですが、ネームプレートが「Nikon」ではなく、「Nikomat」となっているところが、いいですね。

ニコマートという響きがなんとなく、「かわいらしい」感じがしますが、カメラはいたって、メカメカしい佇まいです。

ニコマートFTNは、露出計を使うために、ある儀式が必要です。
それは、「ニコンのガチャガチャ」と呼ばれる操作です。

「ガチャガチャ」の目的は取り付けたレンズの開放Fナンバー値をボディの露出計に伝達するための操作ですが、初めてレンズを付ける時、どうやったら上手く取り付けができるか、分かりにくい操作なので、簡単に説明します。

手順は、ボディを正面から見て説明します。

赤丸部分は連動ピン

1.連動ピンを、右へ止まるまであらかじめ回しておきます。
2.レンズの絞りをF5.6にします。
3.レンズの連動爪とボディの連動ピンがかみ合うようにして、レンズをはめ込み、レンズのシルバーの金具部分を持って左へ回すと、「カチッ」と音がして止まります。この時点で、レンズはロックされます。
4.次に絞りリングを使って、最小絞り値まで回した後、続いて開放絞りに制限まで回すと、開放Fナンバー値がボディの露出計に伝わります。この操作音が「ガチャガチャ」するので、「ニコンのガチャガチャ」と呼ばれています。

「ガチャガチャ」の操作はレンズを取り付ける際に必ず行う必要があります。
一度行えば、レンズを外さないかぎり、最初の一回の操作でOKです。

修理内容

こちらのニコマートFTNは露出計の反応が悪いため、修理を行ないます。

露出計の反応が悪い原因はCdSの劣化によるものです。
部品取り用として用意したCdSの反応が良い、ニコマートFTNからCdSを取り出し、付け替えます。

接眼部分
写真にある丸いレンズ内の2か所にそれぞれCdSが入っています。

交換したCdS

前板を外して、各部点検、清掃、注油などを行います。

前板を外したところ

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