minolta X-1

今日は、ミノルタX-1のフィルムカメラ修理をご紹介します。

はじめに、ミノルタX-1の修理についてですが、電子シャッターのため基板不良や、交換部品もほとんど無いため、基本的には修理をお受けすることが難しいことをお伝えしております。

今回ご依頼いただいたX-1についても、修理不可の場合がある旨をお伝えした上で、お客様から、「ひとまずお送りしますのでご覧になっていただけますでしょうか?」という、お優しいお言葉を掛けていただき、カメラをお預かりさせていただきました。

不具合状況について

お客様からご連絡いただいた不具合や現状の内容については下記の通りです。

・AEファインダーのAEが効かない
・AUTO時に30秒ぐらいシャッターが開いたままになって、その後、閉じる
・シャッタースピードを指定すると、指定の速度でシャッターは切れる
・本体横のバッテリーチェッカー点灯する
・AEファインダーのスイッチを押すと、まれにファインダー内に赤いランプが付く

カメラ到着後に不具合状態を確認したところ、下記のような不具合も見つかりました。

・ファインダー内のシャッタースピード表示窓が光っていない
・アイピースの接眼レンズに縦方向のクラックが見られる
・高速側のシャッター速度が2段ほど遅い
・モルトがかなり劣化している
・ミラーボックス内にカビのような白い斑点が多数ある

修理について

カメラ本体ですが、マニュアルでの操作には問題ない様子です。
高速側のシャッターは2段ほど遅い(1/1000秒が1/250秒くらいの速度)ようですが、実際にお客様がマニュアル操作で実写され、結果として、「ネガ撮影であれば問題が無かった」とのことでした。

まずは、AEファインダーを見てみます。
こちら、ファインダーをのぞいたところ、シャッタースピード表示窓が、真っ暗で何も表示されていませんでした。

AEファインダーのシャッタースピード表示窓はファインダー前面の採光窓から光を取り込み、その光をミラーで反射させて、ファインダー内のシャッタースピード表示窓を光らせています。

この表示窓が真っ暗ということで、まずは、AEファインダーを分解し、原因を探します。

AEファインダーのトップカバーを外すと、すぐにその原因がわかりました。

AEファインダーの銘板とトップカバー

この写真ですぐに気づかれる方もいるかと思われます。
「ミラーがありません。」

ミラーが脱落した状態

このミラーが無いと、シャッタースピード表示窓は真っ暗になってしまいます。
脱落したミラーを探しましたが、カメラ内部には見当たりませんでした。
ミラーは、おそらくAEファインダーの隙間から外に落ちたものと思われます。

ミラーについては、同じサイズのミラーを作成して取り付けすることで、シャッタースピードの表示窓は見えるようになりました。

作成したミラーを取り付け

次にAE不良についてはですが、こちらはAEファインダーのメーターカプラー※が動作不良を起こしていました。
そのため、レンズの絞り値を変更しても、絞り値がAEファインダーに伝わらない状態となっていました。
メーターカプラーについては分解修理を行いました。
※メーターカプラーとは、レンズの絞りに応じて連動するレバー部分です。

メーターカプラー(赤点部分)

AE不良については、AEファインダーとボディとの電気的な接点部分にも不具合が見られる時があるため、カメラ側とAEファインダー側の電気接点の清掃も合わせて行いました。

次に、AEファインダーのアイピースですが、接眼レンズの真ん中付近の縦方向にクラックが見られ、合わせレンズがはがれて、虹色の同心円状模様が出ていました。
こちらは、接眼レンズの交換を行っております。

接眼レンズの状態

シャッター速度については、測定器を使い確認を行いました。
シャッター速度は、測定器で計測すると高速側が2段ほどズレていました。
例えば、1/1000秒時のシャッター速度は1/250くらいの速度で切れています。
こちらは、シャッターの幕軸に注油を行った後、測定器を使って、規定内のシャッター速度に収まるよう、シャッター速度の調整を行いました。

モルトについては、劣化が見られたため、劣化したモルトを取り除き、また、カメラ内に散らばったモルトのゴミを取り除いたのち、モルトの交換を行いました。
交換したモルト部分は、ミラー緩衝用モルト、フィルム室、裏蓋、ヒンジ部分となります。

その他に、ミラーボックス内のカビのような白い斑点は清掃を行いました。

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