Canonflex
今日はキヤノン初の一眼レフカメラ、キヤノンフレックスの修理をご紹介します。
Canonflexは1959年(昭和34年)5月に発売され、発売時の価格は写真にある50mm F1.8付きで59,500円でした。発売からすでに半世紀を超えて、ほぼ60年経過しているカメラです。
Canonflexは発売から約3ヶ月で製造中止となり、わずか17000台程度が作られたに過ぎません。
交換レンズ式の一眼レフカメラですが、その交換レンズは50mm F1.8と100mm F2が用意されただけだったようです。
マウントの形状はFDマウントとほぼ同じですが、絞り機構が異なるため、レンズを付けても絞りが動作しません。また、FDレンズの種類によっては、レンズを装着するとカメラが故障する場合があるようです。
カメラ上部
トップカバー側には巻き上げレバーがありません。巻き上げレバーは底面についています。キヤノン社の説明によると、「底部トリガー130度回転による迅速巻き上げ」とのことです。修理内容
こちらのカメラはシャッターを切ると、ミラーアップしたままになってしまい、絞り連動レバーを手動で戻さないとミラーが戻りません。また、シャッターも不調で、特にスローシャッターは、ほぼ切れません。巻き上げも硬く、あまり調子がよくありません。
カメラ底部(カバーを開けた状態)
底部にある巻き上げレバーが確認できます。ミラーアップの原因を探っていると、上図にある赤丸部分のカムの位置がシャッターを切った後におかしいようです。
本来はシャッターを切った後、写真の通りの位置に戻るはずですが、修理前のCanonflexはカムの位置があきらかに右にズレていました。
カムを指で押し、写真の位置にすると、シャッターが切れるので、この部分に問題があるようです。
原因を調査すると、どうやらカムが回る部分に油などが少しでも入り込むと、カムが途中で止まるようです。この部分の油分を清掃したところ、カムが正常に回り出しました。
巻き上げが、少し硬いので、カムの部分に注意しながら、各ギヤにグリスを塗布すると、硬さが取れました。また、スローシャッターはスローガバナーに注油することで、正常なシャッター速度に戻りました。
しばらく時間を置き、動きがなじむまで様子を見てから、最終的に微調整を行って完了となります。
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