Canon FP

Canon FP フィルムカメラ修理

今日は、キヤノンFPのフィルムカメラ修理をご紹介します。

FPは1964年(昭和39年)10月に発売されたカメラです。

同年4月に先行で発売されたFXから内蔵露出計を取り除いたモデルです。

キヤノンのホームページを見ると、当時、プロの写真家から、「内蔵露出計は馴染まない、不要だ!」といったニーズがあり、FXから露出計を取り除いたモデルとして、『Canon FP』が発売されたとのことです。

確かに、FXの内蔵露出計は外光式露出計のため、専用の外部露出計を利用しているプロからは精度の問題から不要で、アマチュアからすれば、当時、徐々に出始めていたファインダーから確認できる、TTL露出計の方が便利なので、そうした理由から、外光式露出計は微妙な立ち位置になったのだと思われます。

ちなみに、外光式露出計とは、撮影するレンズを通さずに測光する露出計です。
TTL露出計とは、撮影するレンズを通して測光する露出計のことです。

ちょっと面白いのは、分解すると、ボディに電池室部分が残っている点です。
ボディはFXと共通だったようです。

Canon FP 電池室

修理内容

こちらのFPは、シャッターが切れないということで、修理依頼がありました。

シャッターの不具合はグリスの固着が原因でした。

グリスを清掃して塗り直すことで、シャッターは切れるようになりました。

ただし、こちらのFPは1/1000秒の速度がやや安定して出ていません。
シャッター幕にヨレがあり、幕速差もあることから、高速シャッター速度が出にくいと思われます。
1/1000秒以外はおおむね良好な速度が出ています。

お客様には、上記の通りご説明をし、1/1000秒を使った際に露光ムラが出る場合があることを伝えました。

主な修理内容は下記の通りです。

・シャッター不良修理
・シャッター速度調整
・シャッター幕軸注油
・スローガバナー注油
・ファインダー清掃
・劣化モルト交換
・フィルム室清掃
・外観清掃

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