Canon AV-1
今日はキヤノンAV-1のフィルムカメラ修理をご紹介します。
AV-1は、絞り優先AEを採用しており、シャッターは「AUTO」と「1/60」、「B」、「セルフタイマー時のストロボ有り無しのAUTO」のみとなります。
AV-1以前のキヤノンはシャッタースピード優先式にこだわっていましたが、市場の要望から、絞り優先式AEのカメラとして、キヤノン AV-1が1979年(昭和54年)5月に発売されました。
修理内容
こちらのAV-1は巻き戻しクランクの部品を紛失したため、部品交換とのご依頼です。
カメラを拝見すると、モルトは劣化しており、特にリターンミラーの緩衝用モルトはボロボロでした。
また、ファインダーにも汚れがあり、シャッター鳴きも少し出始めていました。
修理は、巻き戻しクランクの部品交換を行い、モルトの交換、ファインダー清掃、シャッター鳴き修理とシャッター幕軸への注油を行ないました。
取り付けた巻き戻しクランク
FLレンズとFDレンズ
キヤノンAV-1が発売された時期、レンズがFDレンズからNew FDレンズに切り替わったタイミングでもありました。
お客様が持ち込まれたAV-1には、FDレンズよりも前のFLレンズが装着されていました。
お客様によると、こちらのカメラは譲ってもらったカメラで、一緒にFLレンズが付いていたとのことでした。
このAV-1とFLレンズで撮った写真は、露出が合っていたり、合っていなかったりして、失敗も多いとも言っていました。
FLレンズを装着したAV-1
露出が失敗している写真が多い原因は、FLレンズを装着して、レンズの[A]のポジションで撮影しているため、撮影状況に応じて適正露出が得られなかったことが原因です。
FLレンズはマウント形状がFDレンズと同等なので、カメラには装着できますが、絞り値をボディに伝える方法がないため、常に開放値で測光してしまい、撮影状況に応じた、適正露出が得られない時があります。
FLレンズを使って常時、適正露出を得るには、A-Mリングを切り替えて、[M]のポジションで絞り込み測光を行う必要があります。
AV-1でFLレンズを使う際には、絞り込み測光を使って、撮影すれば、露出不良にもならず、きれいな写真を撮れますが、1点だけ気になる点が生じます
それは、絞り込み測光を使うと、絞りを絞った際に、ファインダーが暗くなるという問題です。
ファインダーが暗くなると、ピントが合わせずらくなりますので、FLレンズにこだわりがなければ、FDかNew FDレンズを利用した方が、快適に撮影が出来ます。
なお、FDやNew FDレンズを使った場合でも、絞りリングを[A]のポジションにして撮影してしまうと、自動的に絞りが可変せずに、常に最大絞り値になってしまいますので、撮影時には注意が必要です。
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