Canon AE-1 PROGRAM
カメラの修理がどのように行われているのか?
AE-1 PROGRAMの分解、整備(修理)、組み立てを通して2回に分けてご紹介します。なお、こちらのカメラは個人的に所有しているカメラです。
大きな不具合はありませんが、今回はこちらのカメラを分解整備していきます。今回はボトムカバーとミラーボックスを外し、AE-1 PROGRAMでの修理について紹介していきます。
6.ボトムカバーを外す
ボトムカバーを外すにはネジ2本(赤丸箇所)を取り、ボトムカバーを外します。
7.シャッターダイヤルの基盤を浮かす
透明のプラスチックパーツにあるネジ4本(赤丸箇所)を外します。
8.ASAダイヤルの基盤を浮かす
ネジ4本(赤丸箇所)を外します。
写真にある金色のワッシャーを取り除きます。
Cリングを外し、プラパーツを取ります。
基盤を少しめくり、下にあるブザーが鳴るパーツのネジ3本を外します。
ブザーのパーツを取り出します。9.裏蓋の留金具を外す
マウント側の張革をはがします。
ネジ3本(黄色印の箇所)を外します。
裏蓋の留金具を外すと、中にワッシャーのようなものが2個あります。10.リード線を取る
フレキ基盤にはんだ付けされているリード線を外します。
まずは先ほど外した裏蓋の留金具に隠れていたリード線(赤丸部分)を外します。外すリード線は赤丸部分となります。
11.ミラーボックスの取り外し
ミラーボックスを取り外すにはマウント側のネジ5本とアイピース側のネジ2本を外します。
マウント側のネジ(赤丸部分)5本アイピース側のネジ(赤丸部分)2本
ネジが外れたら、ミラーボックスを少しだけ引き出します。
内部にはんだ付けされている白いリード線があるのでこれを取ります。
竹串の先にある箇所のはんだを取ります。すべてのネジとリード線を外したことを確認してミラーボックスを分離します。
プリズムを清掃する場合は下記写真のバネ(左右)を外すことで、プリズムが取り出せます。
分解状態
12.キヤノン AE-1 PROGRAMの修理紹介
AE-1 PROGRAMでの多い故障はいくつかありますが、主だった症状について紹介します。
シャッター音
よくシャッター鳴きと言われ、シャッターを切った際に不快な音が出る現象があります。症状が進行するとシャッターが切れなくなることがあります。
これはミラーボックス内にあるギアの軸に注油することで解消します。また、HPなどで見かける、マウント側のネジを外してシリンジ(注射器)の針を加工して、注油する方法ですが、実際にどのように針が届くのか確認してみます。
注射器の針を入れる箇所のネジを外します。
注射器の針を加工します。
注射器を先ほど外したネジの穴へ挿入し、針先の状態を観察します。
ミラーボックス内での針先の状態(矢印の先)
針の加工によっては、うまく届くかもしれませんが、針を曲げすぎると、穴から中に針を通しにくいようです。もし、ギアが見えない状態で注油した場合、シャッター幕に油が飛び散る可能性があり、その場合、シャッターの不具合が起きる可能性があります。結論として、この方法では故障原因箇所への注油は難しいと思います。
シャッターが切れない
AE-1系に多い故障のひとつにシャッターが切れなくなることがあります。
原因はいろいろありますが、ボトムカバーを開けた際に見える磁石部分からレバーが離れなくなり、シャッターが切れないことがあります。このような場合は磁石とレバーとの間を清掃することで、シャッターが切れるようになります。磁石部分はプラスチックカバーが付けられています。カバーは接着剤で留められているので、コイル部分を断線させないよう、注意しながら剥がします。
プラスチックカバーを外した状態
清掃露出計の不良
金色の摺動抵抗部分が汚れている場合、露出計に影響が出ますので清掃を行います。
13.組立て
組み立ては分解時と逆の手順を辿ることですが、ミラーボックスの組み込みやリード線のはんだ付けなどに注意しながら行います。
キヤノンAE-1 PROGRAMのカメラ修理のお問い合わせはコチラ
カメラ修理のお問い合わせ
キヤノンのカメラ修理ブログはコチラ
キヤノンのカメラ修理一覧
これまでのカメラ修理ブログはコチラ
カメラ修理ブログ