「露出計の値が異常となり、晴天時にシャッタースピードが1/125秒、絞り値がF11で適正露出の場合、カメラ側では、シャッタースピードが1/125秒、絞り値がF4となって、露出オーバーになりました。電池交換をしても同様でした。」ということで、修理依頼がありました。
修理内容

露出計
露出計は、お客様からのご指摘にあった通り、3段程度のズレがありました。さらに、絞り羽根は、レンズをオート設定にした場合、カメラが示す絞り値よりも3段以上開いた状態で、シャッタースピードは設定した速度よりも1段程度遅い状態でした。
修理依頼は、露出計の調整のみでしたが、この状態では、露出計のみ調整しても、実写時に適正露出を出すことは出来ないため、今回は、絞り羽根の開閉不良の調整とシャッター速度の精度調整も合わせて行いました。
修理内容まとめ
- 露出計調整
- 絞り羽根開閉調整
- シャッター幕軸注油
- シャッター速度調整
- 接眼レンズ簡易清掃
仕様
| 型式 | 電子制御式35mmフォーカルプレーンシャッター一眼レフAEカメラ |
| 画面サイズ | 24mm X 36mm |
| 使用レンズ | FDレンズ群(開放測光AE撮影) FLレンズ群(絞込み測光撮影) |
| 標準レンズ | キヤノンFD55mmF1.2 S.S.C. FD50mmF1.4 S.S.C. FD 50mmF1.8 S.C. |
| レンズマウント | バヨネット式マウント,FD,FL,R各レンズ取りつけ可能 |
| ファインダー | ペンタプリズム使用のアイレベル式 |
| 視野の大きさ | 上下93.5%、左右96% |
| ファインダー内情報 | マイクロスプリット距離計,絞り目盛,メーター指針,露出オーバー警告マーク,露出アンダー兼連動範囲外警告ランプ,手動撮影表示Mランプ(LEDー赤色発光ダイオード使用),絞り込み測光件バッテリーチェック定点 |
| ファインダーアタッチメント | アングルファインダー,マグニファイヤー,視度補正レンズ10種,アイカップ |
| ミラー | ノンショッククイックリターン反射ミラー |
| AE機構 | シャッタースピード優先式電子制御自動露出機構(AE),IC2コとI2L(アイ・スクエア・エル)を応用のLsI1コ使用 |
| 測光方式 | 受光素子にシリコンフォトセル(SPC)使用のTTL中央重点測光 |
| 測光範囲 | ASA100でEV1(F1.4・1秒)~18(F16・1/1000秒) |
| 使用フィルム感度 | ASA25~ASA3200 |
| 露出補正 | 露出補正スイッチによりオーバー側へ1.5絞り補正 |
| 露出読取り | シャッターボタンの第1ストロークまたは露出読取りスイッチにより確認 |
| シャッター | 全速電子制御の4軸式布幕フォーカルプレーンシャッター,ショック吸収および消音装置付き |
| シャッタースピード | 1/1000・1/500・1/250・1/125・1/60・1/30・1/15・1/8・1/4・1/2・1・2(秒)・B、X接点は1/60秒 |
| シャッターダイヤル | ASA感度目盛りセット,B・1/1000~1秒は白色,2秒は橙色,不用意回転を防ぐシャッターダイアルガード付き |
| シャッターボタン | 電磁レリーズスイッチ式大型ボタン,第1ストロークで測光回路のスイッチオン,第2ストロークでシャッターレリーズが行われる.ボタンロック機構あり,ケーブルレリーズソケット付 |
| セルフタイマー | 電子制御セルフタイマー,シャッターボタン周りのセルフタイマーレバーを前方に出すことによりセット,指導はシャッターボタンによる.時限は10秒,作動中はランプによる点滅表示(LED) |
| 絞込み | プリセット絞りリングをセットしたときのみ絞込みレバーを押込み |
| 電源 | 6V酸化銀電池(JIS4 G13,エバレディNo.544,マロリーPX28)またはアルカリマンガン電池(エバレディNo.537,ナショナルマロリー7K34)通常の使用で約1年使用可能 |
| 電池チェッカー | チェックボタンを押してファインダー内指針の振れによって読取る |
| シンクロフラシュ | X接点,1/60秒,M級は1/30秒以下使用 |
| ソケット | アクセサリーシュー部には直結接点および信号接点あり,ボディ前面にJIS B型ソケットあり,感電防止機構付き |
| フラッシュオート | 専用スピードライト155A仕様でシャッターおよび絞りが自動設定され自動調光となる |
| 裏蓋 | 着脱可能,データーバック交換可能 巻戻しクランク引上げにより開放,メモホルダー付 |
| フィルム装てん | 多スリットスプールによる簡易装てん |
| フィルム巻上げ | 一作動,巻上げ角120°,予備角30°,小刻み巻上げ可能,パワーワインダーAにより自動巻上げ可能 |
| フィルムカウンター | 順算式,自動復元式,フィルム巻き戻し時は連動して逆転 |
| フィルム巻戻し | 巻戻しボタンおよび上部クランクによる巻戻しボタンは巻上げにより自動復帰 |
| その他 | 電池消耗時にはカメラが作動しない安全機構,シャッター作動中の巻上げ防止等 |
| ファインダー | ペンタ固定アイレベル式 倍率0.83倍、視野率=上下93.4%、左右95.3% |
| 大きさ | 幅141mm x 高さ87mm x 奥行47.5mm |
| 重量 | 590g ボディのみ FD50mmF1.4S.S.C.付き895g |
| 発売年月 | 1976年(昭和51年)4月 |
| 発売時価格 | 81,000円(FD50mm F1.4SSC付き)、4,000円(ケース) |

この修理レビューの目的は、修理をご依頼していただいたお客様に向けての修理内容のご紹介となっております。
こちらの修理ブログを見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラの修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。
