Canon A-1
キヤノンA-1は、1978年(昭和53年)4月に発売されました。
発売時の価格は、FD50mm F1.4SSC付きが114,000円、ボディのみが83,000円でした。
カメラ発売時のセットレンズは、未だ、New FDではないですね。キヤノンA-1の、当時、私自身が持っていた印象は、色々なモードで撮影できる、完全デジタル制御による先進的なカメラといったイメージでした。
また、デザインも当時のカメラには見られないもので、とてもカッコよく感じたものです。
今日は、キヤノンA-1のフィルムカメラ修理をご紹介します。
修理内容
こちらのA-1は、シャッター鳴きと絞り連動不良の修理依頼です。
シャッター鳴き
シャッター鳴きは、リターンミラーのギアの油切れが原因で、症状の進行度にもよりますが、最終的にはミラーアップしてシャッターが切れなくなります。
症状を確認するのは簡単で、シャッターを切った際、通常とは違う異音がします。
症状が悪化すると、リターンミラーの動作も緩慢になってきますので、すぐに分ると思います。こちらは、分解してギアへ注油を行い、注油後はシャッター鳴きは解消しております。
絞り連動不良
絞りの連動不良については、ネット検索を行っても、シャッター鳴きと比べてヒット数は少ないですが、修理に持ち込まれるCanon A-1では、多く見られる不具合です。
絞り連動不良の原因は、絞りレバーを動作させるギアの油切れですが、症状としては、レンズで設定した絞り値で絞り羽根が動かない現象です。症状が進行すると、異音も出て来ます。
症状を確認するにはいくつか方法がありますが、簡単に行うには、シャッターをプログラムAEなどではなく、マニュアルモードで1/15秒などに設定します。次に、レンズ側を[A]や[●]ではなく、F22やF16などにして、カメラの正面からレンズを見ながら、シャッターを切ります。
シャッターを切った際、絞り羽根の動きを見ていると、F22やF16などに絞り込んだにも関わらず、F8くらいだったりF5.6くらいまでしか絞れてない場合は、絞り連動不良が考えられます。
こちらは、分解してギアへ注油を行い、注油後は絞り連動不良は解消しております。
シャッタースピード調整
シャッタースピードの調整は、物理的なシャッター幕軸の調整と電気的な基板調整の両方を行っております。
物理的なシャッター幕軸の調整は、先幕と後幕との幕速差が見られたため実施しています。
シャッタースピードについては、電子シャッターのカメラのため、幕軸調整とは別に電子基板にて速度の調整が必要となります。
主な修理内容は下記の通りです。
・シャッター鳴き修理
・絞り連動不良修理
・ソノレイド清掃
・シャッター速度確認調整
・露出計確認調整
・劣化モルト交換
・ファインダー清掃
・フィルム室清掃
・外観清掃
こちらの修理ブログを見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラの修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。