ASAHI PENTAX SP
今日はペンタックスSPのフィルムカメラ修理をご紹介します。
ペンタックスSPは名機と呼ぶにふさわしい人気のカメラで、今でも多くの方々が愛用し、修理の依頼もあります。
SPとはスポットマチックの略で、レンズを通った光を中央部で測光するという仕組みを指しています。
仕様
形式 35㎜フォーカルプレーンシャッター式一眼レフ ファインダー ペンタプリズム固定 シャッター 機械式布幕横走りフォーカルプレーン シャッタースピード B・1~1/1000秒 マウント M42マウント(スクリューマウント) 測光方式 平均測光式 TTL露出計内蔵(CDS(硫化カドミウムフォトダイオード)) 電源 1.3V水銀電池x1個(H-B型) 大きさ 幅143mm x 高さ92mm x 奥行87mm 重量 623g 発売年月 1964年(昭和39年) 発売価格 51,000円 修理内容
こちらのペンタックスSPは、下記のような症状で修理を行なました。
ミラーアップ
ミラーアップの原因は、シャッター周りの油切れが原因でした。
カメラを分解して注油を行うことで、ミラーアップは直りました。
電池蓋固着
カメラ底面にある電池蓋ですが、電池室に入れっぱなしの電池が液漏れおよび腐食した影響で、電池蓋のネジ山部分が腐食してしまい、通常の方法では電池蓋を取り外すことが出来ませんでした。
電池蓋を取り外すため、まずは電池蓋周辺に極少量の溶剤を流し込み、コインドライバーを使って外そうとしましたが、開けることが出来ませんでした。
次に、電池蓋に穴を開け、取り外そうとしましたが、工具のビットが折れてしまうほど、固着が酷く、別の工具に変えて、電池蓋を取り外すことが出来ました。
固着が酷い電池蓋は、穴を開けて外したため、残念ながら、再利用はできず、電池蓋は部品交換となりました。
電池接点金属板
露出計が動作しないため、電池の接点を確認しました。
カメラ内部にある電池の接点の金属板が、電池の液漏れの影響で腐食していました。
そのため、金属板が非常に脆い状態になっており、軽く触れただけで折れてしまいました。
こちらは、接点となる金属板の部品交換を行いました。
プリズム腐食
プリズムが腐食していました。
元のプリズムは、ファインダーを覗くと黒い帯のようなものが視界に入り込んでしまい、見づらくなるためプリズムの部品交換を行いました。
主な修理内容は下記の通りです。
・ミラーアップ修理
・シャッター幕軸注油
・スローガバナー注油
・シャッター速度調整
・露出計調整
・劣化モルト交換
・ファインダー分解清掃(接眼レンズ、プリズム、スクリーン)
・フィルム室清掃
・外観清掃
・電池蓋部品交換
・電池接点金属板部品交換
・プリズム部品交換
・シャッター幕軸注油
・スローガバナー注油
・シャッター速度調整
・露出計調整
・劣化モルト交換
・ファインダー分解清掃(接眼レンズ、プリズム、スクリーン)
・フィルム室清掃
・外観清掃
・電池蓋部品交換
・電池接点金属板部品交換
・プリズム部品交換
この修理ブログの目的は、修理をご依頼していただいたお客様に向けての修理内容のご紹介となっております。
こちらの修理ブログを見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラの修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。
こちらの修理ブログを見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラの修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。