Canon A-1シャッター鳴き 自分で修理した結果

Canon A-1

今日は、キヤノンA-1のフィルムカメラ修理をご紹介します。

修理内容

こちらのA-1は、シャッター鳴きが出たため、お客様ご自身で、ネットでの情報を頼りに修理を行なったとのことです。

その修理方法は、シリコンスプレーを使って底面から少量注油したとのことですが、その結果、リターンミラーの動作が、どのシャッター速度で切っても緩慢になってしまい、シャッターが正常に切れなくなってしまいました。

お客様のお話では、少量注油しただけとのことでしたが、カメラを拝見すると、その状態から、かなり大量の注油を行っていることは明らかでした。

実際にカメラを分解して、ミラーボックスを取り出してみると、ミラーボックスには、かなり大量の油が付着しており、その油は、ミラーボックス全体と、シャッター幕付近にまで達していました。

写真のテカリが見られる部分が注油した油です。
本来は、このような箇所に油が回っていることはないため、かなり大量の油を注油したと思われます。

この状態で、ミラーボックスを手動でチャージ状態にしてリターンミラーの動作を確認しましたが、ミラーの動きが非常に緩慢で、注油した油の影響がかなり出ていることが分かりました。

修理は、時間を掛けて、ひたすら脱脂作業を繰り返し、何とか正常に動作するようになりました。

主な修理内容は下記の通りです。

自己修理について

ご自身のカメラを自己責任で修理することは構いませんが、ネットに書かれている修理方法が全て正しいとは限りません。

今回の自己修理の件については、シャッター鳴きを修理するため、シリコンスプレーを使ったとのことでしたが、シリコンスプレーは通常の潤滑油とは異なり、スプレー後に固形物が残る場合があるため、シャッター鳴きの修理には不向きです。

また、注油した量についても、故障の原因となっています。

大切なカメラをご自身で修理して、その修理が出来なかったカメラを、修理店に持ち込んでも、修理を断られることが多く、仮に、修理を受けてもらえても、修理料金が通常の修理料金よりも高くなってしまいます。

大切なカメラは、ご自身で修理するのではなく、予算は掛かっても、修理店へ依頼される方が良いと思います。