Nikon F Photomic FTN

今日はニコンF フォトミックFTNとNikkor-H AUTO 50mm f2のカメラ修理をご紹介します。

前回の続きとなります。

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修理概要

◆Nikon Fボディ

・シャッター不良修理
・セルフタイマー部品交換
・巻き戻しクランクねじ破損のため部品交換
・スローガバナー清掃、注油
・シャッター速度確認、調整
・露出値確認
・劣化モルト交換
・各部必要箇所への注油
・フィルム室内清掃
・外装及び内部のカビ、汚れ清掃
・ファインダースクリーンの分解清掃

◆フォトミックFTNファインダー

・ねじ欠品のため部品交換
・電池室腐食清掃
・リード線腐食のため、引き直し
・露出計確認、調整
・外装及び内部のカビ、汚れ清掃
・ファインダー分解清掃

◆Nikkor-H AUTO 50mm f2

・レンズ分解清掃
・レンズのピントリング固着修理

修理内容

こちらのニコンFフォトミックFTNは全く動作しない状態で修理依頼がありました。

カメラの保管状態が悪く、ボディは外装から内部に至るまで、カビが生えたおり、汚れはこびり付いた状態で、簡単には落ちそうにありません。

シャッターは切れず、巻き上げも不良、露出計は正常に動作しません。

露出計の電池室は腐食がひどく、配線の内部まで腐食が進行している状態でした。

レンズはレンズ内部にびっしりとカビが生えており、フォーカスリングは固着して、全く動きません。

◆Nikon Fボディ

こちらのニコンFは、シャッターが切れず、巻き上げもできない状態です。

不具合の原因はスローガバナーが油の固着で動作しないものと思われます。

スローガバナーを取り外し、溶剤で洗浄して、再度組み上げます。

まずは、前板(ミラーボックス)を取り出しますが、前板を外すには、巻き戻しクランクを外す必要があります。
しかし、こちらのFはクランクを止めているねじの頭が半分破断していて、ドライバーが回りませんでした。

ねじの頭が半分破断

ねじは、何とか取り出して、巻き戻しクランクを外し、前板も取り外しました。

次にスローガバナーを取り出して、溶剤を使って洗浄を行いました。

スローガバナーの洗浄

スローガバナーは取り外して、再度組み込むと、動作がおかしくなることがあるので、取り付け時の微調整が必要です。

高速側のシャッター速度がかなり遅かったため、速度の調整を行いました。

セルフタイマー
スローガバナーを組み込み、シャッターが動作することを確認後、セルフタイマーを組み込むと、シャッターボタンを押しても、シャッターが切れませんでした。

セルフタイマーは清掃、注油を行って、組み込んでいます。

セルフタイマーの状態を確認し、何度かボディに組み込みし直しましたが、不具合は解消しないたいめ、セルフタイマーの部品交換を行いました。部品交換後は、問題なく、シャッターは切れました。

◆フォトミックFTNファインダー

電池室
電池室内はかなり腐食が進んでおり、修理前は、まれに通電しますが、ほぼ通電しない状態で、露出計の反応もかなり不安定な状態でした。

フォトミックFTNを分解します。

電池室裏の腐食
腐食状態がかなりひどい状況です。

腐食部分は清掃を行い、通電するようになりました。

電池室からつながるリード線内も腐食が見られたため、リード線を引き直しました。

露出計の調整
露出計の受光素子に劣化が見られましたが、部品交換は行わず、調整にて適正露出を指し示すようになりました。

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