Nikon F Photomic FTN

今日はニコンF フォトミックFTNのカメラ修理をご紹介します。

こちらのニコンFは後期型のニコンFとなります。
後期型の簡単な見分け方は、巻き上げレバーとセルフタイマーのレバーにプラスチックのカバーが付いている点です。

ニコンFは1959年(昭和34年)6月に発売され、生産終了は1974年(昭和49年)6月でした。
15年間も生産されたカメラで、「不変のFマウント」を作り上げた歴史的なカメラです。

すでに最も古いニコンFで60年が経過し、最も新しいニコンFでも45年が経過していますが、まだまだ、撮影できる状態にあるニコンFがあることは喜ばしいことですね。

修理内容

こちらのニコンFはミラーが割れていたためミラーの交換と総合整備の依頼です。

カメラの分解手順はニコンF2と似ています。

分解した状態

ミラーが割れた直接の原因は不明ですが、原因のひとつとして、ミラー緩衝用モルトが劣化し、ミラーアップした時にその衝撃を和らげることが出来ず、ミラーが割れたものと思われます。こちらは、ミラーを交換します。

フォトミックファインダーの分解

フォトミックFTNファインダーを清掃するため、分解していたところ、「F」と大きく書かれたネームプレートを固定している3本のネジの内、1本のネジの頭が破断していました。

破断したネジ
頭が切れたネジを分かりやすいように、半分ほど取り出して写真を撮っています。

ネジは何らかの原因で、ネジの頭が切れてしまい、残ったネジ部分がファインダー本体に埋没していました。
この残ったネジは取り除いて、問題の無いネジに付け替えました。

また、巻き上げクランク下のワッシャーが無かったため、部品を取り付けました。

ワッシャー(ピンセットで摘まんでいる部品)

ニコンFの裏蓋は取り外し式ですが、そのモルトはニコンF2などのモルトとは異なり、毛糸のようなモルトが使用されています。
モルトの箇所は下記赤枠部分の場所です。

裏蓋部分のモルト

主に下記のような修理作業を行っています。

・ファインダー清掃
・モルト交換
・露出計調整
・シャッター速度調整
・各部必要箇所への注油
・フィルム室内の清掃
・外観清掃
など

ニコンF フォトミックFTNの背面

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