Olympus PEN-D
今日はオリンパス PEN-Dのカメラ修理をご紹介します。
オリンパス PEN-Dは昭和37年(1962年)に価格13,800円で発売されました。
今の価値で、カメラが13,800円というと安価な印象ですが、当時の大卒の初任給が17,800円だったので、ほぼ、ひと月分の給与に相当するため、結構高価な買い物だったと思われます。そんなPEN-Dは、ちいさなボディに、3.2cm f1.9の明るいレンズ、高速1/500秒シャッター、カメラに内蔵された露出計など当時は機能満載のカメラだったようです。
PENと言えば、先日、海外のお客様がふらっと店舗に来られて、PENを手に取りファインダーを覗いていましたが、2メートルくらいの大柄な方でしたので、その大きな手の中にある、ちいさなPENが、より小さく見えて、とても微笑ましい気持ちになりました。
そのお客様はアメリカ人だったのですが、「アメリカでもPENは人気があるのですか?」と聞くと、ニッコリと少年のような笑顔で「人気があります。」と言っていたのが印象的でした。
修理内容
こちらのPEN-Dですが、巻き上げダイヤルがロックしてしまい、巻き上げができません。そのため、シャッターも切れない状況です。PEN-Dでよくある故障に巻き上げが永遠と出来てしまうというのがありますが、それとは違うようです。
早速分解を行ってみると、巻き上げの周辺部分が油だらけで、固着している様子でした。シャッターに関しては巻き上げダイヤルを使わずに、手動でチャージしてみると問題なく切れました。
修理は、この油を清掃し、巻き上げてシャッターチャージができるようにします。
固着原因の油を除去してみると、巻き上げダイヤルは回るようになりましたが、今度は永遠に巻き上げができてしまい、シャッターチャージもされません。また、巻き上げダイヤルはかなり重く、固い感じです。こちらのPEN-Dはパーツの交換や調整によって、巻き上げおよびシャッターチャージが出来て、シャッターが切れるようになりました。