「年代なりの痛みはありますが、絞り羽は問題なく動いています。こちらも一応点検していただければと思います。」ということで、修理依頼がありました。
修理内容
レンズの状態
動作的には、ピントリング、絞り共に動作に大きな問題は見られません。
レンズ内には、小さいゴミが見られ、後ろ玉の周辺に薄カビが見られますが、これは、写りには、あまり影響は出ないかと思いますが、後玉に、このレンズ特有の黄変が見られます。
ファインダーを覗いた時にも、黄変の影響が確認できるため、カラー写真を撮った場合は、色味に少なからず影響が出るかと思います。
黄変除去
レンズの黄変は、レンズ硝材の一部に使われている放射性物質である酸化トリウムから発するガンマ線が、経年によりレンズを黄色く変色させてしまう化学変化が原因です。
当時、酸化トリウムをレンズ硝材に含有させると、屈折率の高いレンズを作れるということで、使われていました。
黄変については、レンズ玉に、長時間、紫外線の照射処理を行うことで、化学変化を起こし、ある程度改善がされるため、今回は、黄変除去の処理を行いました。
黄変が見られるレンズは、後玉の大きなレンズ１枚です。
この修理レビューの目的は、修理をご依頼していただいたお客様に向けての修理内容のご紹介となっております。
こちらの修理ブログを見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラの修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。