Nikon FE2 フィルムカメラ修理卷戻し用ボタン動作不良 シャッター幕の油の付着

Nikon FE2

仕様

形式	電子制御35㎜フォーカルプレーン一眼レフ
ファインダー	ペンタプリズム固定
シャッター	電子制御式金属羽根縦走りフォーカルプレーン（コパル製）
測光方式	TTL中央重点測光（SPD使用）測光範囲 ASA/ISO 100時EV1～18
マウント	Nikon Fマウント
シャッタースピード	オート：8～1/4,000 秒（無段階） マニュアル：B・M250（1/250秒）・8～1/4,000 秒 メカニカルシャッター：B・M250
電源	LR44（またはSR44）ｘ2個・CR1/3Nｘ１個
大きさ	幅142.5mm x 高さ90mm x 奥行58mm
重量	540g
発売年月	1983年（昭和58年）3月
発売価格	75,000円(ボディのみ)

修理内容

こちらのニコンFE2は、「フィルムの巻き戻しボタンが固く、ペンの裏で押したっきり戻せなくなりました。」とのことで、修理依頼がありました。

巻戻し用ボタン動作不良

巻戻し用ボタンは、通常、ボタンを押しても、巻上げ動作を行うと同時にボタンが元の位置に戻って来ますが、こちらのFE2は、巻戻し用ボタンが押されたままです。

原因を調べたところ、巻戻し用ボタンの軸に、錆や腐食が見られ、その影響で、ボタン動作に支障が出ていることが分かりました。

修理は、ボタン軸の錆や腐食除去、清掃を行うことで、正常に動作するようになりました。

巻上げ不良修理

巻上げ動作後に、巻き上げのロックが掛からず、多重巻き上げになってしまう不具合が出ていました。

正常な動作であれば、巻上げ操作後、巻上げレバーにロックが掛かり、多重巻き上げが出来ない状態となりますが、こちらのFE2は、巻上げ後のロックの掛かりが浅い状態で、巻上げ動作（シャッターチャージ）を行った後に、再度、巻上げが出来てしまう状態でした。

なお、FE2には、元々、多重巻き上げ操作が行える機能がありますが、今回の不具合は、機能としてある多重巻上げの故障ではありません。

こちらは、掛かりが悪いロック部分を修理することで、直りました。

シャッター幕の油付着

こちらのFE2は、シャッター幕に油が付着していました。

通常であれば、シャッター幕に油が付着するようなことはありませんが、おそらく素人の方が、修理をされたカメラと思われ、カメラ内部に不必要な注油を行った様子が伺えます。

シャッター幕以外にも、モータードライブのカップリング部分などにも不要な油が付着しています。

シャッター幕に付着している油については、シャッター幕の動作不良を引き起こす直接的な原因となりますので、油の脱脂清掃作業を行いました。

主な修理内容は下記の通りです。

・巻戻し用ボタン動作不良修理
・巻上げ不良修理
・シャッター速度点検
・露出計精度点検
・マウント清掃
・裏蓋圧板清掃
・モータードライブカップリングの油汚れ清掃
・シャッター幕清掃（油付着）
・ファインダー清掃
・フィルム室清掃
・カメラ外観清掃