OLYMPUS PEN D3
前モデルのPEN D2発売(1964年9月)から1年後、1965年(昭和40年)9月にPEN D3は発売されました。
前モデルとの違いは、レンズを大口径化し、従来のF.Zuiko 32㎜ f1.9から32㎜ f1.7へ開放値が明るくなっており、レンズの銘板には、目立つよう赤い文字で「1:1.7」と、その絞り値が刻まれています。
また、発売価格が、PEN D2は15,800円(ケース付)だったものが、PEN D3では、価格は10,300円(ケース付)となり、5,500円の値下げとなっています。
仕様
形式 ハーフサイズカメラ レンズ F.ZUIKO 32mm F1.7(4群6枚) フォーカス 目測式、最短撮影距離0.8m シャッター B、1/8秒、1/15、1/30、1/60、1/125、1/250、1/500秒 機械式レンズシャッター 大きさ 幅108mm x 高さ67mm x 奥行50mm 重量 420g 発売年月 1965年(昭和40年)9月 発売価格 10,300円(ケース付) 修理内容
こちらのPEN D3は、「全般的な点検整備と、光漏れやピントの状態が気になっている。」とのことで修理依頼がありました。
光漏れ
光漏れ防止のため、劣化したモルトの貼り替えを行っております。
貼り替えたモルトは、トップカバーのファインダー部分とフィルム室の上部、裏蓋の底面となります。
また、フィルム室側の溝(裏蓋のガイドレール部分)には、裏蓋の脱着の具合を良くするための緩衝材が貼られていますが、経年の裏蓋の脱着に伴い、緩衝材が剥がれてしまっていたため、古い緩衝材の破片を除去、清掃して、新しい緩衝材へ貼り替えを行っています。
ピント
ピントについては、狂いが生じていました。
原因は、カメラの後玉のレンズの押さえリングに少し緩みが生じており、その影響で、レンズが少し浮いていた状態だったためです。
レンズを分解清掃した際に、リングを締め、無限遠を確認し、無限遠にピントが合っていることを確認しています。
シャッターと露出計
シャッターおよび露出計の精度について、点検を行いましたが、問題ありませんでした。
シャッターについては、カメラ分解時にシャッターガバナーへ注油を行っております。
主な修理内容は下記の通りです。
・巻き上げ関連グリスアップ
・シャッターガバナー注油
・シャッター精度確認
・露出計精度確認
・レンズ分解清掃
・ヘリコイドグリスアップ
・ヘリコイドレバーのクリック点のグリスアップ
・無限遠調整
・貼り革貼り直し(前面のみ)
・劣化モルト交換(ファインダー、フィルム室、裏蓋底)
・裏蓋ガイドレール緩衝材貼り直し
・裏蓋清掃
・ファインダー分解清掃
・フィルム室清掃
・外装清掃
・各部点検
・シャッターガバナー注油
・シャッター精度確認
・露出計精度確認
・レンズ分解清掃
・ヘリコイドグリスアップ
・ヘリコイドレバーのクリック点のグリスアップ
・無限遠調整
・貼り革貼り直し(前面のみ)
・劣化モルト交換(ファインダー、フィルム室、裏蓋底)
・裏蓋ガイドレール緩衝材貼り直し
・裏蓋清掃
・ファインダー分解清掃
・フィルム室清掃
・外装清掃
・各部点検
こちらの記事の目的は、修理をご依頼していただいたお客様に向けての修理内容のご紹介となっております。
こちらの記事を見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラ修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。
こちらの記事を見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラ修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。