「数十年使用していないと思われるOLYMPUS OM-1を譲り受け、これを機にカメラを始めようかと考えております。」ということで、モルトの劣化とリターンミラーにカビが見られるということで修理依頼がありました。
修理内容
シャッターダンパー部品交換

シャッターを切った際のシャッターショックを和らげるためのダンパーが経年劣化により、ボロボロになっており、ダンパーとしての機能が働いていませんでした。
修理は、劣化したダンパー部品の破片を取り除いた後、新しいダンパー部品に交換を行っています。
ダンパー交換により、シャッターを切った際のシャッターショックは交換前よりも和らいでいると思います。
電池室ねじ折れ修理
電池室の電池と接触する金属板を固定している樹脂ねじが、経年劣化により折れていました。
ねじが折れると接触不良になり、露出計が正しく動作しなくなります。
修理は、折れたねじを取り除いた後、新しい樹脂ねじに交換を行いました。
樹脂ねじの交換後は、金属板のぐらつきもなく、しっかりと固定されています。
巻き上げダンパー部品交換

巻き上げレバーにて巻き上げ動作を行った際、終点にダンパー部品がありますが、このダンパーが経年劣化により、ボロボロになっていたため、ダンパーとしての機能が働いていませんでした。
修理は、劣化したダンパー部品の破片を取り除いた後、新しいダンパー部品に交換を行っています。
ダンパー交換により、巻き上げレバーの終点時、巻き上げのショックは交換前よりも和らいでいると思います。
修理まとめ
- シャッター速度精度調整
- シャッター幕軸注油
- スローガバナー注油
- 露出計精度調整
- フィルムカウンター動作不良修理
- 電池室ねじ折れ修理
- 巻き上げダンパー部品交換
- シャッター後幕ギアダンパー部品交換
- 劣化モルト交換
- プリズム部品交換
- ファインダー清掃
- フィルム室清掃
- 外装清掃
- カメラケース補修
仕様
形式 | 35ミリフォーカルプレーンシャッター式一眼レフ |
フィルムサイズ | 24mmx36mm(35ミリサイズ) |
マウント | オリンパスMマウント バヨネット交換式(回転角70°) フランンジバック46mm |
シャッター | フォーカルプレーンシャッター マウントダイヤル式 B・1~1/1000秒 シンクロ速度1/60秒 |
シンクロ | FP・X接点切換式 |
ファインダー | ペンタプリズム式広視野ファインダー 視野率 約97%(対実画面) 倍率 0.92倍(50mm/距離∞) 視野角 短辺23°30’ 長辺35° 露出計測光表示付 フォーカシシグスクリーン交換可能 |
ミラー | 大型クイックリターンミラー ミラーアップ可能 |
フィルム装填 | イージー・ローディング |
フィルム巻上 | レバー式 小きざみ巻上可能 巻上角150° 予備引出角30° セルフコッキング 二重巻上防止・二重露出防止付 |
フィルムコマ数計 | 順算式 自動復元 |
フィルム巻戻し | クランク式 巻戻しクラッチセット式 自動復元 |
露出計 | TTL(CdSx2個使用) 開放測光式中央重点平均測光 定点合致式 ファインダー内定点合わせ式 露出計ON・OFFスイッチ付 ![]() |
測光範囲 | F1.4でASA100のときEV2~17 |
電源 | 水銀電池 MR9(H-D)型 1.35V 1個使用 |
フィルム感度目盛 | ASA25~1600 ロックボタン付 |
裏蓋開閉 | 交換式(裏蓋は取り外せて交換可能) 標準裏蓋は蝶番式 交換可能アクセサリ レコーデー夕バック1 ![]() 250フィルムバック1 ![]() |
アクセサリーシュー | 専用ユニット着脱式 コードレス接点付 アクセサリーシュー1 ![]() |
大きさ | 幅136mm x 高さ83mm x 奥行50mm |
重量 | 510g |
発売開始年月 | 1974年(昭和49年)10月 |
発売時価格 | クロームボディー48,000円、ブラックボディー51,000円 |
