Nikon F2 Photomic
仕様
形式 機械式35㎜フォーカルプレーン一眼レフ ファインダー視野率 100% シャッター チタン幕横走行シャッター シャッタースピード 1~1/2000秒・B・T マウント Nikon Fマウント 大きさ 幅152.5mm x 高さ110mm x 奥行65mm 重量 840g(ボディのみ、電池除く) 発売年月 1971年(昭和46年)9月 発売価格 82,200円(ボディのみ) 修理内容
こちらのニコンF2フォトミックは、巻き上げができないということで修理依頼がありました。
巻き上げ不良
巻き上げ不良の原因を探るため、まずは、巻き上げ側のトップカバーを取り外し、巻き上げ部品を少し分解してみました。
過去の修理にあった巻き上げに関連する部品の破損は見られませんでした。
次に、ボトムカバーを取り外して、底面の状態を見てみましたが、特に部品の破損などは見られなかったのですが、修理を進めていくうちに、写真にあるカムの赤丸部分の動きが悪いことに気づきました。
巻き上げ不良の原因は、巻き上げに関連するリンケージ部分のカムの回転が悪く、巻き上げ不良を起していました。
カム周りの清掃と注油を行うことで、カムの回転も良くなり、正常に巻き上げできるようになりました。
シャッター不良
巻き上げ不良を修理した後、前板を組み戻し、シャッターボタンを押しても、シャッターを切ることができませんでした。
これは、シャッターボタンからつながる部品の動作不良が原因でしたので、部品を正しい位置に組み戻すことで、シャッターは正常に切れるようになりました。
電池室
電池室にある電池に接触する金属板にテンションがありません。そのため、現状、電池を入れても通電しません。
こちらは、金属板を固定している電池室の一部が破損しているため、その影響で、電池と接触する金属板を固定できず、通電不良が起きていました。
電池室については、交換部品がご用意できないため、補修を行いました。
補修後は、金属板も固定できて、通電もできるようになりました。
フォトミックファインダー
フォトミックファインダーの露出計は、適正露出よりも、およそ2段程度のズレが見られたため、測定器を使って調整を行いました。
露出計の針の動作がやや不安定だったため、摺動抵抗の清掃も合わせて行っています。
フォトミックファインダーを分解した際、ネジ穴部分にマスキングテープのようなものが貼られていました。
テープが貼られていた理由は不明ですが、こちらは、分解しないと貼れない箇所なので、過去に修理された方が剥がし忘れたまま、組み戻したものではないかと思われます。
こちらで組み戻す際、テープは剥がしてネジを締めましたが、特にネジ部分にガタは見られませんでした。
モルト交換
劣化したモルトは分解時に除去、清掃した後、貼り替えを行います。
写真は、ミラーボックス部分のモルトを貼り替えた状態になります。
主な修理内容は下記の通りです。
・シャッター不良修理
・シャッター幕軸注油
・スローガバナー注油
・シャッター速度調整
・巻き上げ鳴き修理(巻き上げ軸注油)
・電池室修理
・裏蓋開閉不良修理
・フォーカシングスクリーン分解清掃
・劣化モルト交換
(シャッター静音用、ミラー緩衝用、ファインダー緩衝用、裏蓋遮光用、フィルム室遮光用 アイピース枠緩衝用、ファインダーとボディ間の緩衝用)
・フォトミックファインダー分解清掃
・露出計指針動作不安定修理
・露出計精度調整
・フィルム室清掃
・外観清掃
・貼り革貼り直し
こちらの記事を見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラ修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。