巻き上げの鳴きとシャッター鳴きがあるということで、修理依頼がありました。

修理内容

Canon A-1 フィルムカメラ修理

巻き上げ鳴き

巻き上げの鳴きの音はあまり大きくはありませんでしたが、鳴きの症状は出ているため、注油を行っています。

シャッター鳴き

シャッター鳴きはかなり症状が進行しており、おそらくこのまま修理を行わないと、ミラーアップしたり、シャッターが切れなくなってしまう手前で、すでに、その兆候が表れており、リターンミラーの動作が緩慢な状態でした。

シャッター鳴きは、リターンミラーが可動するギアの油切れが原因のため、そのギヤへ注油を行っています。

シャッタースピード

シャッターについては、鳴きはありますが、シャッターは切れましたので、修理前に測定器を使ってシャッター速度を測りました。

下記が測定結果となります。
低速域も、ほぼ問題の無い値が出ているため割愛します。

シャッター速度:実測値:判定結果
1/1000秒:1.34ms:○
1/500秒:2.33ms:○
1/250秒:4.21ms:○
1/125秒:8.41ms:○
1/60秒:16.6ms:○
1/30秒:32.6ms:○
1/15秒:64.3ms:○

測定結果から、シャッター速度は、全速度において許容範囲内の速度が出ていますが、高速域は、やや速度が遅い状態のため、シャッター鳴きの修理後、調整を行いました。

露出計

出計は、測定器を使って測りました。

測定結果としては、露出計のLED表示の数値は、適正露出を示していますが、測定開始直後に、露出計のLED表示が適正露出よりも、2段程度のオーバー露出を示しました。

その後、シャッターボタンを押し直すことで、適正露出を示すようになりましたが、こちらについては、シャッターボタン下の接点清掃を行いました。

修理内容まとめ

  • 巻き上げ鳴き修理
  • シャッター鳴き修理
  • シャッターボタン下清掃
  • 露出計調整
  • シャッター幕軸注油
  • シャッター速度調整
  • 接眼レンズ清掃
  • フォーカシングスクリーン洗浄
  • フィルム室清掃
  • 外装清掃
  • トップカバーとボトムカバーくすみ磨き

仕様

型式35mmフォーカルプレーンシャッター式一眼レフレックスカメラ
マウントFDマウント
シャッター4軸式の布幕横走行フォーカルプレーン
シャッタースピードB・X・30~1/1000秒 全速電子制御式
ファインダーペンタ固定アイレベル式 倍率0.83倍、視野率=上下93.4%、左右95.3%
測光方式TTL開放中央重心平均測光/TTL絞り込み測光(SPC使用)
電源6Vの4G-13型酸化銀電池又は4LR44アルカリマンガン電池1個
大きさ幅141mm x 高さ92mm x 奥行48mm
重量620g
発売年月1978年(昭和53年)4月
発売価格83,000円(ボディのみ)
Canon A-1 フィルムカメラ修理
この修理レビューの目的は、修理をご依頼していただいたお客様に向けての修理内容のご紹介となっております。
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