Canon A-1

Canon A-1 フィルムカメラ修理

仕様

形式35mmフォーカルプレーンシャッター式一眼レフレックスカメラ
マウントFDマウント
シャッター4軸式の布幕横走行フォーカルプレーン
シャッタースピードB・X・30~1/1000秒 全速電子制御式
ファインダーペンタ固定アイレベル式 倍率0.83倍、視野率=上下93.4%、左右95.3%
測光方式TTL開放中央重心平均測光/TTL絞り込み測光(SPC使用)
電源6Vの4G-13型酸化銀電池又は4LR44アルカリマンガン電池1個
大きさ幅141mm x 高さ92mm x 奥行48mm
重量620g
発売年月1978年(昭和53年)4月
発売価格83,000円(ボディ)

修理内容

こちらのA-1は、貼り革の汚れ(貼り革の接着剤がはみ出し)の除去とミラーボックス内のカビ取り清掃、シャッター速度の調整、劣化モルトの貼り替えで修理依頼がありました。

ミラーボックス内カビ取り清掃

ミラーボックス内のカビについては、ほぼ除去出来、カビ跡もほぼ目立たない状態です。

ミラーボックス内の一部分に塗装剥がれが見られ撮影時の反射が気になるため、タッチアップ塗装を行いました。

貼り革汚れ除去

貼り革の汚れは、貼り革を貼り付ける時に使用した接着剤がはみ出して付着したものでした。

こちらは、貼り革を剥がし、汚れの原因である接着剤の除去、清掃を行い、ほぼ除去出来ました。

劣化モルト交換

貼られていたモルトについては、経年劣化でかなり傷みが激しく、一部のモルトは、指で触っただけで、モルトがボロボロになってしまうような状態でした。

モルトについては、下記箇所を貼り替えしました。

・リターンミラー緩衝用
・フィルム室溝
・フィルム室ヒンジ
・裏蓋ヒンジ
・裏蓋ロック爪周辺

1点、気になったのは、裏蓋のロック爪周辺に貼られていたモルトについてです。
こちらは、過去の修理と思われますが、オリジナルとは全く異なる補修材が使われていました。

この箇所は、本来、ゴムの緩衝材とモヘアのような織物の遮光材が使われていますが、過去の修理で、この補修材は全て剥がされ、モルトプレーンで貼り直すといった修理がされていました。

当店では、なるべくオリジナルに合わせる形で、過去の修理で貼ったモルトを全て取り除き、本来のゴムの緩衝材と、新しい織物の遮光材を調達して貼り直しを行いました。

なお、過去の修理において、ゴムの緩衝材を剥がした際に裏蓋の塗装の一部が剥がれてしまっていますが、こちらについては、再塗装できません。

Canon A-1 フィルムカメラ修理

シャッター速度調整、シャッター幕軸注油

シャッター速度の調整については、シャッター幕軸へ注油後、測定器を使ってシャッター速度の調整を行っています。調整後は、シャッター速度は許容範囲内に収まり、ほぼ適正な速度に調整が出来ています。

主な修理内容は下記の通りです。

・貼り革汚れ除去
・ミラーボックス内カビ取り清掃
・シャッター速度調整
・シャッター幕軸注油
・劣化モルト交換
・フィルム室清掃
・外観清掃
この修理レビューの目的は、修理をご依頼していただいたお客様に向けての修理内容のご紹介となっております。
こちらの修理レビューを見て、お問い合わせいただいたお客様の同一機種のカメラの修理をお約束するものではありませんので、あらかじめご了承ください。